ビットコインは単に投機に利用されているだけで、実際に使用されている通貨ではないという懐疑的な意見がある一方、あるニューヨークの幼稚園ではビットコインは便利で洗練された支払い手段だと認識されている。

きっかけは保護者からの問い合わせ

 フラティロン及びソーホーにあるモンテッソーリスクールの校長であるマルコ・シオッカ(Marco Ciocca)氏」は「ビジネスインサイダー」誌のインタビューの中で、何名かの保護者からビットコインで学費を支払えないかと問い合わせがあったとコメントしていた。

ビットコインで学費の支払いができますか?との問い合わせが4,5件あった。

 シオッカ氏は、支払いの利便性、手数料の低さ、取引のスピードを鑑み、ビットコインを支払い方法の一つに加えることに決めた。

 この学校では、受け取ったビットコインはすぐ法定通貨に両替して、相場リスクを避けている。両替に1%の手数料を払うが、クレジットカード会社が課金する手数料に比べたら、はるかに下回る。

 さらに、クレジットカードは支払い不能が起きることがあり、追加手数料が発生してしまう。そのため、この学校ではクレジットカードでの支払いを受け付けていない。ビットコイン以外では、現金、小切手、銀行引き落としのみを受け付けている。

もちろん、1%の取引手数料がかかる。しかし、クレジットカードの手数料よりも2%から4%も低い。そして、その支払いの多くが支払い不能になり、さらなる手数料を払い、その支払いの肩代わりをしなくてはならない。これは、学校にとって頭痛のタネだった。

 最近、多くの企業がビットコインを支払い手段に加えたと発表している一方で、実際仮想通貨で支払う顧客はまだまだ少ない。だからニューヨークの幼稚園の例は大変興味深い例だ。

 今後、比較的保守的な産業である教育機関が、どう仮想通貨と向き合っていくかに注目が集まっている。