仮想通貨ビットコインのマイニングによるCO2排出量、従来想定より少ないとの研究【ニュース】

最新の研究によると、仮想通貨ビットコイン(BTC)のマイニングは、気候変動に即座に大きく影響するほどの二酸化炭素(CO2)排出量を放出しているわけではないという。1956年創刊の科学技術誌「ニュー・サイエンティスト」(オンライン版)が、11月20日に報じた

先行研究の仮定を批判的に検討

一般にCO2は、暖かい赤外線の散逸を妨げ、毛布のように気温上昇を招く温室効果ガスの代表格として挙げられる。過去の研究では、BTCマイニングによるCO2排出量は年間63メガトンにおよび、2018年には北欧のエストニア共和国1ヵ国に相当する電力を消費したという。ニュー・サイエンティストによると、一部研究者の中には、BTCマイニングのせいで世界的な温室効果ガス削減目標量を達成できないと主張する者もいるそうだ。

これに対して、デンマークにあるオールボー大学のスザンヌ・コーラー氏とマッシモ・ピッゾル氏は、前述の先行研究では、中国のCO2排出量が全国均一であること、世界におけるBTCマイニングの半分以上が中国で行われていることの2点を仮定していると最新研究で指摘した。

同氏らが中国内の地域ごとに確認したところ、BTCマイニングによるCO2排出量(2018年)は17.29メガトンになった。

この数値のズレは、石炭利用が多く、中国のCO2排出量の1/4以上を占める内モングル地区におけるBTCマイニングは12.3%にすぎず、水力発電が盛んな四川省の数値により相殺されるそうだ。

(出典: デンマークにあるオールボー大学のスザンヌ・コーラー氏とマッシモ・ピッゾル氏およびニュー・サイエンティスト 中国は、BTCマイニングにおける二酸化炭素(CO2)排出量の47%を占める(地域別CO2排出量寄与率)

引き続き監視する必要がある点は変わらず

ただしコーラー氏は、BTCマイニングに関する電力消費が増加傾向にある点に注目し、気候変動の研究者は仮想通貨業界を引き続き監視する必要があると指摘している。

「BTCマイニングが原因で、2015年開催のCOP21で採択されたパリ協定の目標を達成できないと警戒する声がある。一方BTCコミュニティは、ほとんどのマイニングがグリーンエネルギーを利用しており、大きな影響はないと主張している」

またコーラー氏とピッゾル氏は、マイニング専用機器の生産と廃棄は電力消費の1%にすぎないこと、BTCマイニングによる電力消費がCO2排出量の大部分を占めることも指摘。マイニングがどこで行われているのかより正確な情報を得ることで、CO2排出量に関してさらに詳細な情報を得られると説明した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン