IoT(モノのインターネット)ブロックチェーンのスタートアップ企業Ubirch(ユバーチ)と、オーファン・ドラッグ(希少疾病用医薬品)研究開発企業CENTOGENE(セントジーン)は4月17日、新型コロナウイルス(COVID-19)との戦いに向けた共同ソリューションを発表した。

将来的には、ウイルス(SARS-CoV-2)に感染しているかどうかを調べた抗体検査結果をブロックチェーンに保存し、ウィルスへの免疫に関するブロックチェーン証明書、あるいは陰性証明の検証などの際にいつでも取得・利用できるようにするとうたっている。

また、GDPR(EU一般データ保護規則)準拠を重視しており、顧客データはブロックチェーン上にハッシュ値としてのみ保存され、顧客の承認なしに取得できないとした。

ソリューションの仕組み

ナスダック上場のCENTOGENEのCIOを務めるフォルクマー・ウェッケサー(Volkmar Weckesser)氏によると、同社は希少疾病診断・研究のため120ヵ国以上約50万人の患者の疫学、表現型、遺伝子のデータを蓄積しているという。

SARS-CoV-2では、自社研究所で実施できる抗体検査自体を開発したそうだ。抗体検査結果はブロックチェーン上に保管し、陽性・陰性を示す検証可能なブロックチェーン証明書を個人に提供するそうだ。

「(SARS-CoV-2)抗体検査結果はどこからでもアクセスでき、偽造できない。つまり、正常性への復帰を先導する」

CENTOGENEは、「この形態の分散セキュリティは、他の産業環境でもすでに実証されている」と主張しており、「IoTベースの検査は、医療データの保護と検証において理想的だ」とした。

UbirchとCENTOGENEによると、ブロックチェーン証明書は、社会が「ロックダウン(都市封鎖)を解除し、より的を絞った対策を進める際に役立つ、検証済みステータスを顧客に提供する」という。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン