ブロックチェーン特化のコワーキングスペースNeutrinoがオープン エンジニア不足解消と海外との交流目指す

 決済プラットフォームを手がけるOmise Japanとベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイは22日、共同で設立したコワーキングスペース、Neutrino(ニュートリノ)のお披露目会を行った。設立の背景にあるのは、日本のブロックチェーンエンジニアの不足や海外のコミュニティーとの関係が薄いことへの危機感だ。

 Neutrinoは、ブロックチェーン関連のエンジニアや起業家、専門家、スポンサーなどの交流の場を提供。ビジネスにおけるブロックチェーンの応用事例やマーケット動向に関する情報を共有し、共同研究や共同プロジェクトの立ち上げにつなげることを目指す。また、会計や法律関係の専門家もコミュニティーパートナーとして参加しており、規制面などでのアドバイス体制も整えた。現在、ブロックチェーンSNSを手がけるALIS(アリス)DMM.com,、仮想通貨ウォレットのGINCO(ギンコ)など16の分野にわたって20のメンバーが入居。「ブロックチェーンのエンジニアをすでに抱えているか、自身がエンジニアであるか」などを基準に60社以上の応募の中から選ばれたという。メンバー以外は、Neutrinoが開催するミートアップやイベント、開発者向けのワークショップなどに参加できるという。

 Neutrinoの所在地は、渋谷。サイバーエージェントやGMOが本社を構えるほか、グーグルが移転を決定するなど渋谷ではIT関連企業の集約化が進んでいる。Neutrino内には、オフィスのほかミーティングスペースやイベントスペース、ドリンク&スナックエリアなども用意されてる。

 

 またNeutrinoは海外展開も積極的に行っていく方針だ。来週中にはシンガポールにもNeutrinoがオープンすることが決定。さらに1年以内に北京、上海とバンコクでもオープンし、まずはこの5拠点でを通してグローバルレベルでのエンジニアの交流を促すという。さらに海外のブロックチェーン関連のイベントを日本のNeutrinoで中継することで、世界中のプロジェクトに接する機会を作る予定だという。

 Omiseの長谷川潤CEOは、Neutrinoを立ち上げた理由について次のように述べた。

 「去年の中頃からブロックチェーンがものすごい盛り上がりみせているが、海外のブロックチェーン関連のイベントでスピーカーとして出る日本人はいない。日本人がやっているプロジェクトのブースも見当たらない。日本人の姿を見ることがない。それはなぜかと(グローバル・ブレイン社の)百合本安彦CEOと話した時、圧倒的な知識不足と世界とのつながりの薄さだという結論に達した」

 ブロックチェーンを学ぶ場所として現在あるのはネット検索。しかしあまり効果が出ていないため、みんなが集まれる「フィジカル」な場所を提供しよう思い至ったという。また自身も含めこの業界には「ノマド」体質の人間が多く、旅をずっと続けていて家がない人もいるため、Neutrinoみたいな場所が重要になるという。

 Neutrinoのメンバーには海外企業も入っていて、シリコンバレーに拠点を置くスマートコントラクト関連のセキュリティー企業、クワントスタンプ(Quantstamp)もそのうちの一社だ。リチャード・マー CEOは、日本ではシリコンバレーほどブロックチェーン関連のイベントやミートアップが行われていないと指摘した上で、東京とシリコンバレーとの関わりをもっと深くする必要性を語った。クワントスタンプは、日本の銀行、自動車やゲーム会社と連絡を取っているという。

 タイに拠点があるOmiseは、イーサリアム向けの分散型スケーリング・ソリューション・ネットワークOmiseGoを手がける。昨年8月にはイニシャル・コイン・オファリング(ICO)で2500万ドルを調達した。