モルガン・スタンレーは、金融コングロマリットのクレディ・スイスで12年のキャリアを持ち、仮想通貨取引のエキスパートと自称する人物を、デジタル資産市場の新代表として雇用した。eフィナンシャル・キャリアが7月31日に伝えた

 アンドリュー・ピール氏はクレディ・スイスでの最後の3年間、セールスとトレーディングイノベーション部門で副社長を務めた。リンクトインのプロフィールでは、ビットコインなど仮想通貨トレードの専門家と称している。また、2013年の時点で仮想通貨市場の主唱者としての職歴も記してある。

 モルガン・スタンレーの仮想通貨への態度は、伝統的な金融機関の中では穏やかだ。17年秋、JPモルガンのジェイミー ・ダイモンCEOは、ビットコインを詐欺で、チューリップバブルよりも悪いと批判。これは、クレディ・スイスのティージャン・ティアムCEOがビットコインをバブルの典型と行ったのと同様のスタンスだ。

 対照的に、モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴールドマンCEOは、同時期に「ビットコインはとても投機的だが、そのプライバシーは中央銀行システムに対する興味深いチャレンジである」と述べている。ビットコインをブロックチェーン革命の当然の結果であるとも評価している。

 モルガン・スタンレーは今年1月から、ビットコイン先物決済の清算業務を開始している。これは昨年12月にシカゴ・マーカンタイル取引所とシカゴ・オプション取引所が先物を扱い始めた直後に当たる。

 伝統的な金融業務から仮想通貨へシフトする人は増加している。ゴールドマン・サックスのレナ・ヤレド氏やジャスティン・シュミット氏や、JPモルガンでブロックチェーン事業を率いていたアンバー・バルデット氏はブロックチェーンのベンチャーを自ら立ち上げている。