米国最大の資産運用会社であるモルガン・スタンレーが、全金融アドバイザーにビットコインの上場投資信託(ETF)へのアクセスを許可したことで、厳しいコンプライアンス審査に直面する可能性があると、元証券取引委員会(SEC)職員である仮想通貨懐疑派のジョン・リード・スターク氏が警告している。
「モルガン・スタンレーが1万5000人のブローカーにビットコインを推奨させることで、史上最大のSECとFINRAの調査に自ら進んで直面することになるだろう」と、スターク氏は8月9日にX(旧ツイッター)で述べた。「あくまで私の意見だが、違反を見つけるのは簡単だ。だから、モルガン・スタンレーの現コンプライアンスディレクターには幸運を祈る」と付け加えた。
規制当局は文書へのアクセスを広く持つことになる
スターク氏は、SECと金融業規制機構(FINRA)のコンプライアンススタッフと執行スタッフが、モルガン・スタンレーの個人投資家向けビットコイン販売に関連するすべての記録、文書、メール、テキスト、ボイスメール、電話会議に即座にアクセスできると説明した。「この豊富で容易にアクセス可能な証拠の宝庫は、マウスクリック一つでSECとFINRAに提供される」と、スターク氏は付け加えた。
モルガン・スタンレーは8月7日、1万5000人の金融アドバイザーにビットコイン(BTC)ETFを顧客に推奨する許可を与えたことが報じられた。モルガン・スタンレーは現在、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)とフィデリティのワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)の2つのビットコインETF製品のみを推奨している。
仮想通貨業界のコメンテーターは、これがビットコインにとって重要な動きだと考えている。
「今年後半にはさらに大きな資金流入が見られるだろう」と、仮想通貨ベンチャーファンドDragonflyのマネージングパートナーであるハシーブ・クレシ氏はXで述べた。「これがどれほど大きなことか想像できるか?」とDeFi投資家は付け加えた。
ビットコイン現物ETFが1月11日に承認されて以来、173億ドルの資金流入があったと、Farsideのデータが示している。