モンテネグロ政府は、イーサリアムの創設者であるヴィタリック・ブテリン氏に市民権を与え、ブロックチェーンイノベーションのハブになるという同国の政策を着実に推し進めてきている。
モンテネグロのズドラヴコ・クリヴォカピッチ首相が、南東ヨーロッパの同国がブロックチェーン・イノベーションの中心地となるための取り組みを促進するため、ブテリン氏に対し市民権の取得を勧めたと、モンテネグロの報道機関であるRTCBが報じた。
公式発表は出されていないようであるが、下の写真はブテリン氏がモンテネグロのパスポートを受け取った際にミロイコ・スパジッチ財務社会福祉大臣と撮ったものであると伝えられている。

モンテネグロは、4月7日にスパジッチ大臣主催で開催されたパネルディスカッション「Future Now!」にイーサリアム(ETH)の共同創設者であるブテリン氏をゲストとして招待しており、同氏に加えてイーサリアムの研究者であるウラド・ザンフィール氏、メンフィス大学法学部のボリス・マムリック教授、スパジッチ大臣らのパネリストが、ブロックチェーンのアイデンティティの合法性、スマートコントラクトの政治への導入などのトピックについて話し合った。
Budućnost Sad! Kripto zakon, inovacije, zajednica
— Milojko Spajić (@MickeySpajic) April 7, 2022
Prilika za uspostavljanje zdrave, održive, blokčejn industrije u službi naroda.
V.Buterin - osnivač ETH
V.Zamfir - glavni istraživač ETH
B.Mamlyk - internacionalni profesor prava
M.Spajić - moderatorhttps://t.co/PvBNeQi52n pic.twitter.com/X9WCNJz6eZ
また、クリヴォカピッチ首相、ブテリン氏、および数人の政府当局者らが出席して行われた4月4日の会談では、ブロックチェーン産業という観点からのモンテネグロの選択肢についても話合われた。その中の重要課題の1つとして、市民に対して仮想通貨をどのように規制するか、が挙げられたと現地の報道機関であるミナが報じている。
スパジッチ大臣は、モンテネグロは仮想通貨業界における犯罪者たちに対し厳格に対処してゆきたいと述べ、公平性が成長を刺激し、「すべての分野におけるグレーゾーンの経済活動を減らす」ことになると感じているとし、以下のように述べた。
「モンテネグロは、合法的な産業のあらゆる利点を重視しながら、理にかなった規制をもたらすことで、ブロックチェーン・テクノロジーのイノベーションの中心地となるべく努力している」。
モンテネグロ政府は現在、ブロックチェーン・テクノロジーを同国のさまざまなシステムに統合することから生じる複雑に絡み合う規制の壁の解決に向けて取り組んでいる。
モンテネグロ政府は、企業が分散型自律組織(DAO)として登録することを許可すべきか、との質問に対し、ブテリン氏は、DAOを法人として認めているワイオミング州について言及し、分散型ガバナンスを適用することは「手始めとしてちょうど良く」、おそらくブロックチェーン・テクノロジーのイノベーションの中心地となることを目指すモンテネグロにとって「着手し易い部分」であるかもしれないと述べた。