先週、仮想通貨(暗号資産)ビットコインのマイナーは、自分たちが作成に貢献したビットコインよりも11%多くのビットコインを売りに出していた。6月1日、オンチェーン分析企業バイトツリーのデータから明らかになった。

マイナー関連のウォレットアドレスを追跡するバイトツリーによると、過去7日間で5800BTCが生成される一方で6500BTC以上が「ファースト・スペンド」だった。「ファーストスペンド」とは、ビットコインが作成されて以降で初めてウォレットの外に出る現象を指す。

バイトツリーはコインテレグラフ に対してマイナーのウォレットの現状に対して詳しく解説した。

「マイナーのウォレットは、個人や企業、マイニングプールによって所有される場合がある。マイナーによってコインが作成されてマイナーのウォレットに登場するとき、「作成(generation)」とカウントされる。このコインは、数日、数ヶ月、数年もしくは永遠にマイナーのウォレットに居座り続けることもありうる。コインを動かすかどうかはマイナーウォレットの所有者次第だ。マイナーによってコインが作成されたら、そのコインはマイニングプールへの登録者(BTC支払い)に分配されるか法定通貨で経費をまかうなうために取引所に送られるかされる」

ビットコインのマイナー降参?

ツイッター上では、上記のデータを根拠に「マイナー降参(miner capitulation)」を指摘する声が出ている。

ただ、F2プールのトーマス・ヘラー氏は、コインテレグラフに対して、採掘難易度の増加から一部のマイニング機器で利益が出なくなった時に、マイナーは該当するマイニング機器を電気代が安い地域に売却すると指摘。電気代が安い地域としてはカザフスタンやロシア、中東、南アメリカがあげられる。

ヘラー氏は「2020年は、マイニング企業で破綻するケースはごくわずかだ」と述べた。

ビットコインの採掘難易度は2週間ごとに変更され、一般的にネットワークに参加するマイニングパワーが大きければ、採掘難易度は上がり、逆にパワーが小さければ、難易度は下がる。

3日後には、2018年の底値以来の2回連続の採掘難易度下方調整が予想されている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン