マイケル・セイラー氏率いるストラテジー(旧マイクロストラテジー)は、ビットコイン(BTC)購入において、これまでの店頭取引(OTC)ベースの戦略を脱し、企業買収によって保有現金をビットコインに転換する、より攻めの手法を採用すべきだ。仮想通貨業界の幹部がそう提言している。
スイスの資産運用会社シズ・キャピタルのパートナーであり、Jan3のアドバイザーを務めるリチャード・バイワース氏は、4月29日のポッドキャスト番組で「セイラー氏のこれまでの戦略は正しかった」と評価しつつ、次のステージへの転換を示唆した。
「OTCではなく、市場を動かす買いを」
バイワース氏は、ストラテジーが従来通りの慎重な買い方ではなく、より積極的な市場介入が必要ではないかと語った。
「OTCで静かに買うのではなく、むしろ価格を大きく押し上げることを前提とした非常に積極的な購入戦略を取るべき時期が来るかもしれない」と述べ、「市場全体にインパクトを与えるような買いで、価格を引き上げるべきだ」と提案した。
記事執筆時点で、セイラー氏率いるストラテジーは55万3555BTC(約524億8000万ドル相当)を保有している。
フィデリティ・デジタル・アセットは4月24日、上場企業によるビットコイン購入により、取引所のビットコイン供給が減少していると指摘。今後さらにその傾向が加速する可能性があるとしている。
バイワース氏は、ストラテジーのような企業にとっては、購入時の価格そのものよりも、保有資産の純資産倍率(mNAV)が重要だと説明。「ビットコイン価格が上昇すれば、同社のMNAVが大きく膨らみ、株主にとって有利になる」と述べた。
日本企業の現金を“吸収”せよ
バイワース氏はまた、日本国内には潤沢な現金を抱えながらも業績成長が鈍い、いわゆる“ゾンビ企業”が多数存在していると指摘。ストラテジーがそうした企業を買収し、現金を即座にビットコインへと転換する戦略を採用すべきだと提案した。
「日本には、キャッシュフローはあるがバリュエーションが低い退屈な企業が山ほどある。これらを買収して、すぐに現金をビットコインに替えることができる」と語り、同様の手法をとった日本の投資会社メタプラネットを例に挙げた。
メタプラネットは4月21日、2800万ドル分の追加購入を行い、保有するビットコイン残高を4億ドル超にまで拡大している。
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