日本の投資会社メタプラネットが、新たに4400万ドル(66億1600万円)相当のビットコイン(BTC)を購入し、同社の株価が一時20%上昇した。

メタプラネットのサイモン・ゲロビッチCEOは3月5日のX投稿で、同社が497BTCを1BTCあたり約8万8448ドルで購入し、総額4390万ドルを投じたことを明らかにした。また、年初来のリターンは45%に達したという。

3月5日の開示情報によると、今回の購入により同社のビットコイン保有量は2888BTCに達し、平均購入価格は1BTCあたり8万4240ドルとなった。現在のビットコイン価格8万7150ドルに基づくと、保有資産の総額は約2億5100万ドルに相当する。

ビットコインは過去14日間で約8.5%下落し、2月28日には米国のトランプ大統領が計画している関税による貿易戦争への懸念から、3カ月ぶりに7万9000ドルを下回った。

一方、メタプラネットの株価は3月5日午後3時半時点で東京証券取引所において20.93%上昇し、4045円となった。

メタプラネットの戦略

同社の株価はビットコインの急落に伴い、先週の取引で一時的に下落したものの、過去12カ月では1700%以上の上昇を記録し、依然として優れたパフォーマンスを維持している。

今回の購入は今週2度目のビットコイン取得となる。メタプラネットは3月3日にも156BTCを購入しており、ゲロビッチ氏はその際、米国など日本国外での上場の可能性を模索していると述べていた

同社は2025年第1四半期(Q1)だけで794.5BTCを取得し、これにより約6600万ドルの利益を報告している。今後、2026年までに2万1000BTCの保有を目指し、日本におけるビットコインの普及をリードする戦略を掲げている。

今回の追加購入により、メタプラネットは世界で12番目に多くビットコインを保有する企業となり、アジアでは最大のビットコイン保有企業となった。BiTBOのデータによると、同社の保有量は香港のゲーム企業ボーヤ・インタラクティブ・インターナショナルを上回った。

Source: Simon Gerovich

また、ゲロビッチ氏は2月下旬にニューヨーク証券取引所(NYSE)およびナスダックの関係者と会談し、メタプラネットの「プラットフォームと機能」について紹介した。3月3日のX投稿では、「メタプラネットの株式を世界中の投資家にとってよりアクセスしやすくする最適な方法を検討している」と述べている。