ブルームバーグ1日の報道によると、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のエドワード・ダビラ判事は、メタ(Meta)社によるVR企業ウィズインの買収阻止の一環として、連邦取引委員会(FTC)による差し止めを否定した。ただし、少なくとも1週間はMeta社が取引を完了できないようにする一時的な差し止め命令を出したとも伝えられている。

この判決はFTCが7月、メタ社とマーク・ザッカーバーグCEOに対して起こした訴訟の一部で、メタ社が「『メタバース』全体を所有するという究極の目標」を阻止することを目的としていたもの。メタ社はウィズインとウィズインが開発するフィットネスアプリ「スーパーナチュラル」の買収を計画していた。

メタにブランド変更する前、フェイスブックは2014年にワッツアップ(WhatsApp)を、2012年にインスタグラム(Instagram)を買収した際、競合を買収したことでイノベーションを阻害したとされ、2020年にもFTCが提訴した。メッセージングアプリや写真共有アプリは、フェイスブックのメッセンジャーアプリやソーシャルメディアサイトに対する潜在的な挑戦者であり「反競争的行為」とFTCは非難していた。

メタが今回の法廷闘争に完全勝利することになれば、メタバース関連の製品やサービスを提供する小規模企業を買収し、競合他社としてではなく、傘下で活動させることができるようになる可能性が高い。FTCは、ダビラ判事の判決に対して、1週間以内に控訴すると報じられている。