仮想通貨ベンチャーキャピタル企業アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)を共同創業した億万長者マーク・アンドリーセン氏が、自身の会社によるWeb3分野への投資のせいで、Metaの取締役を辞任しようとしている可能性がある。

ビジネス・インサイダーの報道によれば、親しい関係者が、アンドリーセン氏が今後数ヶ月のうちに取締役を辞任しても「少しも驚かないだろう」と述べたという。早ければ、取締役会の次の改選が行われる5月にも退任の可能性がある。

アンドリーセン氏はMeta取締役としての今後に関して、公式に発言していない。

メタ社は、メタバース、非代替性トークン(NFT)、ソーシャルネットワーキング、金融、エンターテイメントに関連する、いくつかのWeb3プロジェクトの構築や買収を開始している。これはつまり、a16zの仮想通貨帝国が利益相反を引き起こす可能性があることを意味する。メタ社は3月18日に、メタマスクやレッジャーと同じような、ハードウェアや電子ウォレットで最もよく使用されている、ユーザー識別ソフトウェアの特許を申請した。

一方、a16zは仮想通貨分野の最大手VC企業である。ボアード・エイプ・ヨット・クラブ(BAYC)を制作したユガ・ラボ社の最近の投資ラウンドを主導し、3月11日には、NFTアートプロジェクトを支援するための3000万ドルのファンドを立ち上げた。ユガ・ラボ社への4億5000万ドルの投資ラウンドは、NFTプロジェクトとしては過去最大のシードラウンドの1つである。

a16zがこれまでに行った仮想通貨分野への積極的な投資には、分散型取引所ユニスワップ、中央集権型取引所コインベース、NFT市場オープンシー、分散型金融(DeFi)プロトコルのメーカーDAO、分散型融資プラットフォームのコンパウンドなどがある。

.a16zの広報担当者はビジネス・インサイダーの取材に対し、今回の噂を否定した。

「もし辞任することになるとしても、彼自身はそうなることを知らない。だから、そんなことにはならない。少なくとも今はない」

アンドリーセン氏は08年から旧Facebookの取締役を務めており、現在の社外取締役メンバーの誰よりも長く在籍している。Facebookの初期の投資家ピーター・ティール氏は、EOSブロックチェーンや仮想通貨取引プラットフォーム「ビットパンダ」支えるブロックチェーンソリューション企業、ブロックワンに対する自身の仮想通貨投資など、多くの理由で5月に退任する予定である。