マルタの金融規制当局「マルタ金融サービス局(MFSA)」は9月6日、金融市場監督上の優先事項と、2019年から21年までの3年間のビジョンをまとめた戦略計画発表した。マネーロンダリング、金融犯罪、テロ資金調達を防止する一環として、仮想通貨関連の監視強化を優先事項の1つとして挙げた。

MFSAは、金融情報分析部(FIAU)、新設のマルタ・デジタル・イノベーション局(MDIA)を含む同国内外の金融当局と緊密に連携するとして、次のように述べた。

「マルタは、ブロックチェーンと暗号技術を規制対象とするため前例のない措置を講じた。このようなイノベーションは、マネーロンダリング、テロ資金調の防止において課題をもたらすことを我々は理解している」

またMFSAは、企業による不正行為の監視・検出・管理を目的としつつ、MFSAの振る舞いが金融市場に悪影響を与える可能性を最小限に抑えることを説明した。

「認可された仮想通貨および関連ビジネスのリスクを監視・管理するため、MFSAはSupTechツールに投資し、実装中だ。これによりMFSAは不正を特定し、マネーロンダリング・テロ資金調達を防止し、消費者・投資家・市場の利害関係者を保護できる」

「SupTech」(Supervisory Technology)は、規制当局側が活用する、規制・監督業務の効率化・高度化に貢献する技術や取り組みを指す。また、非規制事業者側が採用する、規制対応の効率を改善する技術・動きは「RegTech」(Regulatory Technology)と呼ばれている。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版