ライトコインはミンブルウィンブル(MimbleWimble)を搭載したテストネットを開始した。ライトコインのミンブルウィンブルプロトコルの開発責任者であるデビッド・バーケット氏がライトコイン・トークフォーラムの10月1日付の投稿で明らかにした

ミンブルウィンブルはビットコインのコンセンサスアルゴリズムであるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を改良したもので、プライバシーを強化し、取引に関する個々の入出力が特定されないようにする技術。小口決済での利用普及を目指すライトコインに取って、必須の技術で実装が待ち望まれている。

バーケット氏によると、現在は「ノンテクニカル・ライトコインユーザー」が機能を簡単にテストできるようにすることに取り組んでおり、「壊れやすい」コードを解決することを行なっているという。

ミンブルウィンブルプロトコルが完全に実装されるのは来年中を目標にしている。テストネットの進捗が報告されているテレグラムチャンネルでは「いつ、あるいはアクティベートしたいかどうか」はライトコインのマイナーとノード運営者に委ねられているとした。

当局はプライバシー技術の取り締まりを強化

一方で、規制当局はプライバシーを強化する仮想通貨技術の取り締まりを強化している。

欧州刑事警察機構(ユーロポール)は2020年版の「インターネット組織犯罪脅威評価」の中で「コインジョインを利用したプライバシー強化ウォレットサービスが最も脅威がある」としており、具体的にワサビウォレットと、サムライウォレットを例に挙げている。コインジョインとはトラストレスな取引が可能なミキシング技術だ。複数のユーザーのコインを混ぜ合わせることで、資金の追跡をしにくくするとされている。

ユーロポールはダークネット上のマーケットプレイス運営者がコインジョインを使ったウォレットをプラットフォームに統合する動きを強めていると主張している。

また、ダークネット上ではビットコインが依然としてシェアが高い通貨となっていると一方で、モネロ(XMR)が人気のプライバシーコインとして台頭しており、ジーキャッシュ(ZEC)とダッシュ(DASH)が続いていると指摘。プライバシーコイン以外のアルトコインでは、ライトコインとイーサリアムがダークネット市場で人気があると述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン