仮想通貨(暗号資産)ライトコイン(LTC)のミンブルウィンブル(MimbleWimble)プロジェクトが、機能テスト用フレームワークを構築し検証テストを開始し、またこれまでの開発作業をLTCコードベースに統合する作業を開始した。同プロジェクトのリード・ディベロッパーを務めるデビッド・バーケット氏が、Litecointalkフォーラムの5月1日付け投稿で明かした

バーケット氏によると、同プロジェクトは、テストヘッド(実運用環境に近い状態のテスト環境)において、重要なマイルストーンに達したという。また機能テスト用フレームワークを介して、エンド・ツー・エンドのブロック検証テストも実行したそうだ。

「私は、バリデータ(ヘッダー)、ブロック、トランザクションを構築する機能テスト用フレームワークを用意した。いくつかの(ほぼ)完全なエンド・ツー・エンドのブロック検証テストを手に入れた」という。

既報の通り、バーケット氏は、9月までにLTCのテストネット上で稼働すると予測した。今回の報告は、その目標に向けた重要なステップに関するものという。

コードベースの統合

バーケット氏は、ConnectBlockロジックから作業を始め、LTCのコードベースとの統合を開始したそうだ。ConnectBlockロジックは、有効なUTXOが利用されているか、また二重支払い防止のためのブロック検証、チェーンへのブロック追加などを担うものだ。

同氏は、次に取り組む部分について明確にしていないものの、LTCコードベースへの統合と、「多くのテスト」が計画に含まれていると報告した。

匿名通貨グリン用ウォレット「Grin++」

またバーケット氏は、匿名通貨グリン(GRIN)用のウォレットおよびノード「Grin++」の進捗についても触れた。バージョン1.0.0.0のリリース候補が用意されテストが行われており、今週末には配布される予定だという。

ミンブルウィンブルは、プライバシー保護強化とスケーラビリティ改善の両面から注目されている技術。ハリー・ポッターの登場キャラクターを名乗る人物が公開したホワイトペーパーを基に、ブロックストリームのアンドリュー・ポエルストラ氏が2016年10月に論文「ミンブルウィンブル」としてまとめた。

ミンブルウィンブルでは、送金・受金・金額といった関係を当事者のみが確認でき、外部からはランダムなデータに見える。またブロックに記録される情報量が少ないことから、取引スピードも向上するという。コインジョイン(coinjoin)、カットスルー、コンフィデンシャルトランザクションといったテクノロジーを組み合わせることで実現している。


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン