ライトコインの開発者は22日、プライバシーとスケーラビリティ改善を目指すプロトコル「MimbleWimble」(ミンブルウィンブル)をオプトイン(利用者の同意を得る形)で導入する提案を行った

提案によると、ミンブルウィンブルは「エクステンション・ブロックス(EBs)」を通してオプトインの取引として導入される。EBsは、メインのブロックチェーンと共に運用され、ブロック生成までの間隔は同じ2.5分になる。

ライトコインによるミンブルウィンブル導入の狙いは、プライバシーとファンジビリティーへの意識だ。

現在、ブロックチェーン上に記録される取引は透明性が高く一般公開されている。このため、個人のプライバシー侵害のリスクがある。

またブロックチェーンの透明性ゆえにファンジビリティーがなくなるという問題がある。

例えば、1万円札は犯罪者が使おうが聖人が使おうが、その1万円札はいつどこでも1万円札として利用が可能で、1万円の価値を保てている。なぜなら現金を見ているだけでは、「汚いカネ」と「クリーンなカネ」の特定が不可能だからだ。このように資産単位が常に同種類・同単位の資産と全く等しい価値であることをファンジブル(代替可能)と言う。

しかし、ブロックチェーンの透明性によって「汚い仮想通貨」と「クリーンな仮想通貨」が分かってしまう。ファンジビリティーがないと何が問題なのか?ライトコインの開発者は、次のように述べた。

「チェイナリシスのようなサービスは、取引記録の中にブラックリストされたアドレスがあるかないかを基に(仮想通貨の)リスクスコアを提供。一部のビジネスはこのようなコインを「汚染された」とみなしてオーナーに返却する。最悪のケースでは口座を閉鎖する。

ミンブルウィンブルを採用する仮想通貨として有名なのは、ビームとグリンだ。ビームのCEOであるアレクサンダー・ザイデルソン氏は、今年3月にコインテレグラフ日本版のインタビューに答え、プライバシーの観点からビットコインは銀行よりタチが悪いと話した

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版