仮想通貨相場が揺れる中、ビットコインの取引処理性能を大幅に上げるとされる「ライトニングネットワーク」の決済チャネルが1000を超えた。

 ライトニングネットワークは、ユーザー間で私的な「決済チャネル」をブロックチェーンの外に開くものだ。ユーザーは取引をこの私的決済チャネルを使って行うが、取引の結果内容は、別のチャネルを使ってブロックチェーン上に送りこむ。これによりブロックチェーン上でマイナー(ビットコイン採掘者)が処理しなくてはならない取引量が減り、取引手数料が下がり処理スピードが上がるという。

 ライトニングネットワークは手数料ゼロでビットコインによる瞬時決済を可能にするため、これをメインネットで運用した愛好家たちの間では歓喜の声が上がっていた。

 ライトニングネットワークは現在テスト段階でベータ版にも満たないが、1月中旬からビットコインのメインネット向けにノードを立てるユーザーが急増しており現在、その数は400以上にのぼる。日本時間で3日までの一週間で倍増した計算だ。また、これまでに470万円がライトニングネットワークで取引された。

 ちなみにビットコインキャッシュのノード数は約1200で、現在アルファ版に過ぎないライトニングネットワークへの関心の高さが伺える。ちなみにビットコインやイーサリアムのノード数は万単位となる。

 ところがライトニングネットワークの開発チームは困惑気味だ。

 現在同技術はテストネット向けでありバグも多い。もしこれがメインネットで運用され問題が起きたとすれば、少人数で構成される開発チームはそれに多大なリソースを割くことになり、全体的な開発が遅れると懸念。メインネットを使う場合は試験的運用に止めて欲しいと呼び掛けている

 一方でメインネットでの運用をすることでしか使い勝手上の課題が分からないとする声も強く、ノードや決済チャネルは今後も増加していきそうだ。

 

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