分散型取引所(DEX)アグリゲーターのカイバースワップ(Kyber Swap)から様々な仮想通貨で合計約4600万ドルが流出した。

カイバースワップチームは11月23日、ユーザーに警告し、X(旧ツイッター)の投稿で、カイバースワップエラスティックが「セキュリティ事故を被った」と述べた。

チームは予防措置として資金の引き出しをユーザーに勧め、状況を調査していることを付け加えた。

ブロックチェーン探偵たちは、被害を受けたウォレットと最近まで活動していたハッカーのウォレットアドレスを明らかにした。

デバンクのデータによると、約4600万ドルがこの攻撃で奪われたとされ、そのうち約2000万ドルがラップドイーサ(wETH)、700万ドルがラップドライドステークドイーサ(wstETH)、400万ドルがアービトラム(ARB)であった。

資金はアービトラム、オプティミズム、イーサリアム、ポリゴン、ベースなど、複数のチェーンにまたがって分散されていた。

ブロックチェーン探偵のスプリークはXの投稿で、「これは承認関連の問題ではなく、カイバープール自体に保持されているTVLにのみ関連していると確信している」と強調した

攻撃者は、プロトコルの開発者やDAOメンバーに向けてオンチェーンメッセージを残し、「私が完全に休んだ数時間後に交渉が始まる。」と述べている。

ディファイラマのデータによると、カイバースワップのTVLは数時間で68%減少し、ハッキングとユーザーの引き出しによりほぼ7800万ドルがプロトコルから失われた。現在のTVLは2700万ドルで、2023年のピーク時の1億3400万ドルから減少している。

A chart of KyberSwap’s total value locked. Source: DefiLlama

カイバーネットワーククリスタルKNCトークンの価格は、流出のニュースが伝わると一時的に7%下落したが、その後回復し、0.74ドルで取引されている。

チームは4月に脆弱性を特定し、ユーザーに流動性の引き出しを勧めた。ただし、その事件では資金の損失はなかった。