米国の仮想通貨取引所クラーケンは、欧州進出を視野に入れ、オランダの仮想通貨取引所コイン・メスターBV(BCM)の買収を発表した。買収金額は公表されていないが、クラーケンとBCMは、欧州連合(EU)の暗号資産市場(MiCA)規制の導入を受け、この買収を発表した。

クラーケンは既にアイルランド、イタリア、スペインで運営するための仮想資産サービスプロバイダ(VASP)のライセンスを取得しており、欧州全域でのビジネス拡大を計画していることを強調している。

クラーケンのデビッド・リプリーCEOは「オランダの経済力、仮想通貨の普及度、イノベーションの文化が、同国での拠点設立を検討する理由だ」と述べている。

「BCMの買収により、クラーケンはオランダ市場で大きな地位を得ることができ、BCMのクライアントはより強固な製品提供から利益を得ることができる」とリプリー氏は語った。

BCMの共同創設者兼CEOであるミッチェル・ザンドヴァイケン氏は、「クラーケンはこの分野のパイオニアで、10年以上にわたる実績を持っており、今後の当社のビジネスを引き継ぐ上で最適な選択肢だ」と言い、既存のクライアントがクラーケンの投資と買収から生まれるイノベーションを享受すると語った。

ビットコイン・メスターから最近ブランド名を変更したBCMは2017年に設立され、170種以上の仮想通貨へのアクセスを含む仮想通貨取引とステーキングサービスを提供している。同社は、オランダの中央銀行に仮想通貨サービスプロバイダとして登録されている。クラーケンとBCMの両社は、今回の取引が規制当局の承認を受ける必要があると述べており、これにはオランダ中央銀行からのクリアランスが含まれる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン