22日の仮想通貨市場は、ビットコイン(BTC)を中心に値動きの少ない展開となっている。

ビットコインは前日比で0.04%上昇の9640ドルとほぼ横ばいで推移。イーサ(ETH)は0.6%上昇で260ドル、XRPは0.3%上昇で0.272ドルとなっている。

出典:Coin360 17:30時点

アルトコインでは下げ幅が目立つ銘柄もある。今週好調なパフォーマンスを見せていたテゾス(XTZ)は約6%下落、リスク(LSK)は約7%下落となっている。

一方、仮想通貨市場の「先行指標」ともいわれているライトコインは前日比で好調なパフォーマンスを見せている。4.3%上昇で74ドルとなっており、今後の値動きに注目だろう。

クラーケンのビットコイン半減期の分析

仮想通貨取引所クラーケンはビットコインの半減期についての最新のレポートを公表した。

2012年と2016年の過去2回のビットコイン半減期前後での値動きを分析。ビットコインは半減期を前後として長期の上昇局面に入っていたと指摘。2012年には底の時点から約5000%、2016年には約9000%の価格上昇を伴う強気相場を開始している。

ただどちらの場合でも強気相場が終了した後には、相場が反転し、80%近く価格が下落する形となっている。

2012年の半減期

2012年11月の半減期ではマイニング報酬が50BTCから25BTCに減少した。この時の強気相場は半減期が始まる1年前の2011年11月の2.29ドルから始まり、2013年12月に1151ドルのピークを記録するまで続いた。

出典:Kraken

2016年の半減期

2016年7月の2回目の半減期では、マイニング報酬が25BTCから12.5BTCに半減した。この際には、15年9月の213ドルを底にして強気相場が始まり、17年12月の19499ドルまで長期の上昇トレンドが続いたと分析している。

上昇トレンド終了後には、相場は弱気に転じ、18年12月の3255ドルで底打ちしたと分析している。

出典:Kraken

クラーケンは過去の分析をもとに「歴史が繰り返される保証はない」としつつも、今年5月に予定されている3回目の半減期への「期待は高い」と述べている。

分析レポートの中では、3回目の半減期によりビットコインの年間の供給インフレ率が3.7%から1.8%に減少すると指摘。金などと同じようなディスインフレ資産は、不換通貨のようなインフレーション資産よりもより良い価値の保存手段になると、クラーケンは述べている。

マイナーへの影響

またクラーケンでは、今回の3回目の半減期によるビットコインマイナーへの影響を分析している。

ビットコインの半減期により、ビットコインマイニングの報酬は半分に減ってしまう。マイナーにとっては収益が最大50%減となる可能性がある。

クラーケンは「マイニングの収益性は、施設や電力などの運用コストがほぼ固定されているため、大きな圧力を受ける可能性がある」と述べている。

加えて、マイナーの収益性が悪化することで、ビットコインのトランザクション手数料が議論になるだろうと予想する。マイニング収益が減少することで、手数料引き上げが焦点になるとみている。

また収益性悪化でマイナーの撤退が相次げば、ネットワークのハッシュレートやセキュリティが低下する可能性もあると述べている。