一部の金融評論家や投資アナリストは、世界的なインフレと債務の膨張を背景に、ビットコイン(BTC)の長期的な上昇トレンドが続き、2030年までに価格が100万ドルを超える可能性があると見ている。

ARKインベストの最高経営責任者キャシー・ウッド氏は、ビットコインが2030年までに150万ドルに到達するという「強気シナリオ」を掲げている。2月11日に公開された動画の中でウッド氏は、機関投資家の採用拡大が主な原動力になるとの見解を示した。

Bitcoin price targets 2030. Source: ARK Invest
 

『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者である投資教育家ロバート・キヨサキ氏は、より控えめな予測として、2035年までにビットコインが100万ドルに到達すると述べている

キヨサキ氏は4月18日のX投稿で「2035年までにビットコインは100万ドル、金は1オンス3万ドル、銀は1オンス3000ドルになると強く信じている」とし、2025年時点での米国の連邦政府債務とクレジットカード債務の急増が、金やビットコインといった安全資産への需要を押し上げる主因だと指摘した。

また、同氏はこうした債務問題が「史上最大の株式市場の暴落」につながる可能性があると警告し、「ビットコイン1枚、あるいは少量の金や銀を保有しておくだけで、大きな富を得ることができるかもしれない」と予測した。

元ヘッジファンドマネージャーのラウル・パル氏をはじめ、他のアナリストも法定通貨の価値毀損がビットコインの価値を高めている主因だと指摘している

アブダビのビットコインMENAに登壇したエリック・トランプ氏 . Source: YouTube

2024年12月には、米大統領ドナルド・トランプ氏の息子であり、トランプ・オーガナイゼーション副社長を務めるエリック・トランプ氏も、ビットコインが100万ドルに達するとの予測を示し、「ビットコインは世界経済を美しく変革する力を持っている」と語った。

2025年には20万ドルの可能性も

10xリサーチの最高経営責任者マルクス・ティーレン氏によれば、ビットコインの価格は過去において1万6000ドル単位で節目を形成してきたという。

この価格パターンに基づけば、現在の価格水準から次の主要なレジスタンスは12万2000ドル付近になると、ティーレン氏は5月22日のXスペースの番組「Chain Reaction」で語っている。

「私たちはここ5〜6週間、一貫して強気で見ている。2月のトランプ就任以降は弱気だったが、今は強気に転じている」と述べた。

また、資金調達率が低い一方で建玉(オープンインタレスト)が高い状態にあり、「これは多くの投資家がこの上昇局面をショートで狙っていることを示している」と付け加えた。

一方、ビットワイズで欧州リサーチ責任者を務めるアンドレ・ドラゴシュ氏は、2025年末までにビットコインが20万ドルを突破する可能性を指摘している。

「カナダのビットコイン支持者グレッグ・フォス氏は、G20加盟国の国債バスケットに基づいてビットコインを評価するモデルを提唱している」としたうえで、「現在のG20各国のデフォルト確率を基にすれば、ビットコインの理論価格はすでに20万ドルを超えている」と語った。

さらに、各国のソブリン債リスクへの懸念や機関投資家の資金流入が、今後のビットコインの上昇トリガーになる可能性があるとも述べている。

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