仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」は、ケニア議会による調査に直面した。ケニア議会は、物議を醸しているこのプロジェクトについて調査するため、15人の議員から成る委員会を設置した。
地元メディアによると、ガブリエル・トンゴヨ議員が率いる議会委員会は、ワールドコインを調査し、42日以内に報告書を下院委員会に提出することになっている。
コインテレグラフは、彼らの懸念やワールドコインに対する立場を詳しく知るためにトンゴヨ議員に問い合わせたが、記事公開時点では返答は得られていない。
議会によるワールドコインの調査に先立ち、約3週間前にケニア政府が現地でのワールドコインの活動を停止させている。同プロジェクトは、政府からユーザーの虹彩をスキャンする行為を停止するよう命じられたにもかかわらず、それに従わなかったためだ。キンディキ・キスレ内務大臣は、ワールドコインの活動停止に重要な役割を果たし、同社が市民の登録と虹彩データの収集を行っていることが深刻なセキュリティリスクをもたらすと語った。
議会委員会とは別に、ワールドコインプロジェクトはケニアの各規制当局からも問題視されている。データ保護機関にによる提訴の結果、裁判所もワールドコインの活動を停止した。裁判所は、昨年4月から2023年8月までにワールドコインが収集したデータを訴訟が終結するまで保存するよう命じた。
ワールドコインは、ユーザーの虹彩をスキャンすることで自社の仮想通貨WLDコインを提供するデジタルIDプロジェクトだ。世界各国で物議を醸しながらも注目を集めており、試験段階では約200万のユーザーを獲得した。
しかし一般向けに12か国以上での公開が始まると、プロジェクトを巡る懸念が表面化し、ナイジェリア、イギリス、アルゼンチン、ドイツ、ケニアの各国政府が調査を開始した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン