28日の仮想通貨市場は、ビットコイン(BTC)を中心に好調なパフォーマンスを見せた。ビットコインは1万1,000ドル付近まで上昇し、今年最高値を更新した。

出典:Coin360 17:30時点

ビットコインは強固なレジスタンスだった1万500ドルを突破し、1万1,000ドル近辺まで上昇した。足元ではビットコインは前日比6.4%高で1万835ドルで取引されている。イーサ(ETH)は2.1%安の315ドルで推移。XRPは2.4%高の0.222ドルで推移している。

ビットコインキャッシュ(BCH)は7.3%高の269ドル、ライトコイン(LTC)は9.2%高の53ドルとなり、好調なパフォーマンスを示している。

ビットコインが急騰した背景には、安全な避難資産として意識された可能性がある。金(ゴールド)先物も過去最高値を記録している。金先物はアジア時間の午前の取引で初めて1オンス=2000ドルを超えて、過去最高値を更新した。

金融コンサルタントのデヴィアグループのナイジェル・グリーンCEOは、米中対立による地政学的なリスクの高まりが、「デジタルゴールド」であるビットコインへの投資が増えている可能性を指摘している

グリーン氏は 「世界の2つの経済大国である米国と中国との間の緊張が高まったため、ビットコインの強気が実現することになった」と 説明している。

1万ドル維持が強気継続で重要に

仮想通貨アナリストのトーン・ベイズ氏は、ビットコインが1万1000ドル付近まで上昇した後、今後史上最高値を更新する準備が整ったと指摘している

ベイズ氏は、ビットコインのドミナンスが高まっているが、ビットコインが持続的な上昇トレンドを開始する準備が出てきていると指摘している。

「この傾向が続く限り、ビットコインは非常に強気になる。ビットコインは1万ドルまで反落すると思うが、その後は、金と同じように、過去最高値を素早く達成できるはずだ。私はまだビットコインに非常に強気だ」

ベイズ氏は2019年にビットコインを売却したという。1万4000ドルを超えて上昇するのが難しいと判断したためだ。しかし、今回の上昇については「さらに高くなると考えている。2019年はじめよりもずっと強気だ」と、ベイズ氏は語っている。

その上で、ビットコインが強気を維持するためには、BTCが1万ドル以上を維持することが必要だと、ベイズ氏は指摘している。

1万2000ドルまで上昇はあるか

ブルームバーグは、ファンダメンタルズからビットコインが今年中にも12000ドルを超えることを示していると報道。過去24時間で大規模な上昇が起きたことで、ビットコインが市場最高値の2万ドルを突破できるかどうかの予想が始まっている。

ブルームバーグは28日、Fat Prophetsのアナリストであるデビット・レノックス氏の「米国のマネーサプライには、実際に金を押し上げるのに十分な勢いがあるようだ 」とのコメントを紹介。「新型コロナウイルスが経済を破壊し続ける中、おそらくより多くの刺激策が取られるだろう。米ドルの下落につれて、金は明らかに上昇している。」と話した。

さらに仮想通貨トレーダーのフィリップ・スウィフト氏はフィボナッチリトレースメントの黄金比から「最初の主要なレジスタンスは14000ドル付近になる」と予想している。