仮想通貨Steem(STEEM)のコミュニティとトロン創設者のジャスティン・サン氏を巡る対立は、Steemitプラットフォームでの検閲問題に発展している。

3月19日、仮想通貨インフルエンサーのGirl Gone Cryptoは、3月20日のハードフォークに関する「中立的な説明のビデオ」が分散型SNS「Steemit」のプラットフォームから削除されたとツイートした

「アナウンスメントの内容、そして何が起きているのか、人々が何を期待できるのかを説明するため、中立的な立場から説明する動画を作成した。その投稿は、Steemit.comから削除された。これが皮肉なのは、中央集権の問題と検閲の懸念があるからこそ、Steemのコミュニティがチェーンを分岐してHiveに移行しているということだ」

コインテレグラフではトロンにコメントを求めているが、現段階では返答がない。

Steemを巡る対立

 

SteemのHiveハードフォークは3月18日に発表された。これは、仮想通貨トロンの創設者ジャスティン・サン氏がネットワークを支配しようとする試みに対するコミュニティ主導の反発だ。

2月14日、サン氏はSteemブロックチェーンへの最大のフロントエンドインターフェイスであるSteemit Incを買収した。このプロセスでSTEEMトークンの総供給量の約20%を取得した。この買収により、Steemコミュニティではサン氏のトークン保有量によるガバナンスへの懸念が浮上した。

サン氏は、バイナンスやフォビなどの取引所とともにハードフォークを行おうとしたが、コミュニティ側はそれに反発して対抗措置としてHiveへのハードフォークを計画した。ハードフォークは20日に予定されている。

Hiveはコミュニティのサポート獲得

Hiveハードフォークは、Steemコミュニティの大多数によってサポートされているようだ。STEEMトークンの価格は、ハードフォークの発表から200%近く高騰した。

3月19日、Steemの2番目に大きなフロントエンドインターフェイスであるSteempeakは、フォーク後にサポートするチェーンをコミュニティメンバーに質問するアンケートを実施した。Steempeakの共同設立者であるスコット・ジャービーは、これまで受け取った回答はHiveへのサポートがほぼ占めていると、コインテレグラフに語った。

「私はすべての投稿を読んでおり、Hiveに移行したくない人を見つけることは非常に難しい。私たちは彼らに正直であることを求め、彼らがSteemにとどまる決意を固めていれば、彼らがコメントで攻撃されないことを確認した」

ジャービー氏は、コミュニティは「Hiveにはいくつかの問題が発生すると予想される」と指摘する。「ユーザーがこれを理解することを願っているが、分権型のインフラをセットアップすることになるので、順調な始まりとはいかないだろう」と述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン