世界のイーサリアム(ETH)供給量の三分の一がわずか376人に保有されている。ブロックチェーン上の不正取引を追跡するチェイナリシスが5月15日に調査を発表した。2016年に比べ大口投資家は減少傾向にあるものの、依然、一部投資家が市場への影響力を多く保持している。

このイーサリアムのクジラ(一部の大口投資家)の約60%は資産を保有したままで定期的な取引を行っていないとされ、取引行為全体のわずか7%を占めるにすぎない。

チェイナリシスは、「クジラ」をトップ500のイーサリアム(ETH)保有者と定義。そのうち「個人のクジラ」は376で、全体に占める彼らの保有量の割合は2019年5月1日時点で33%と、2016年の47%と比較すると大幅に減少していると指摘している。イーサリアム価格に与える影響はほとんどないとされるが、大量の売買を行うことで市場を不安定にさせることができるとしている。

チェイナリシスは、2016年から2019年、イーサリアム価格はビットコイン(BTC)の動きに倣う傾向にあるとし、以下のように述べている。

「平均して、前日にビットコイン価格が1%増加であれば、翌日のイーサリアム価格は1.1%増加となっている」

チェイナリシスはまた、市場価格が大きく動いた場合のクジラによる影響は認めつつも、影響への懸念は誇張されすぎているとしている。

先月、チェイナリシスは、仮想通貨犯罪の95%はビットコイン(BTC)がらみだとの調査結果を発表していた。また、リアルタイムで取引を監視する対象の仮想通貨を10種類に拡大したとも発表していた。


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版