米国裁判所は、バイナンスUS、バイナンスホールディングス、ジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)が米証券取引委員会(SEC)からの声明の取り下げを求める動議を棄却した。
6月26日の米国コロンビア地区裁判所の裁定で、エイミー・バーマン・ジャクソン裁判官はバイナンスやバイナンスUSからの動議について裁判所が介入する必要はないと判断した。バイナンス側はSECが証券訴訟に関連する発表で米国民を誤認させ、「陪審団を陥れる可能性」と「市場に不必要な混乱を引き起こす可能性」があると主張して6月21日に動議を提出した。
ジャクソン裁判官は、「この訴訟に関与する全ての弁護士がいつでも倫理的義務を遵守すべきだが、現時点で裁判所がその点を再度強調するための介入が必要であるとは見えない。また、当事者のプレスリリースを改稿するために裁判所が関与することが必要であるとは思われない」と述べた。
「当局の公共関係努力がこの訴訟の手続きに大きな影響を及ぼすとは明らかではない」
今回の動議は、SECの強制執行局長であるグルビール・グレワル氏がCZ氏とバイナンスが「顧客の資産を自由に混合または転用できる」と主張した6月17日のSECのプレスリリースから生じた。バイナンスとバイナンスUSの法律チームはSECの発表は「誤解を招くもの」であり、大部分の主張を否定した。
バイナンス、バイナンスUS、CZ氏は、6月5日にSECから提訴され、米国の顧客に未登録の証券を提供し、バイナンスが取引所またはブローカーディーラー清算機関として登録しなかったと主張されている。SECは当初、裁判所にバイナンスUSのすべての資産凍結を求める動議を提出したが、最終的に取引所の従業員だけが顧客資金にアクセスできるという妥協案に到達した。
米国の法的手続きが進行する中、バイナンスは6月20日、カザフスタンで規制された仮想通貨プラットフォームの立ち上げを発表した。しかし、6月23日にはベルギー金融サービス・市場当局が仮想通貨交換および保管ウォレットサービスの提供を停止するよう命じ、バイナンスはオーストリアの金融規制当局への申請を撤回したと報告されている。