JPモルガン・チェースのジェームス・ダイモンCEOがビットコインを「詐欺」と批判してから一転、同グループがビットコインを「新たな金(ゴールド)」として謳(うた)いはじめた。
JPモルガンのアナリストは、ビットコインは進化し、長期的に価値を貯蔵する信頼できる方法としてもうすぐ金の仲間入りをするかもしれないと分析している。通貨としてよりも、デジタルゴールドとしてのビットコインに価値を見出しているようだ。
「新たな資産クラスになる可能性」
JPモルガンのアナリストであるニコラオス・パニガーツォグロー氏によると、ビットコインは通貨としての競争をやめ、急成長する新たな資産クラスとして頭角をあらわしているという。
特に、ビットコイン市場に起きている大きな変化が、ビットコインへの投資をしやすくしているという。同氏によると、「特に既存の取引所によるビットコイン先物取引の上場がビットコインにお墨付きを与え、個人と機関投資家の両方にとって仮想通貨がより魅力あるものにしている」。
ゴールドに追いつけ
既に金に投資すべきか、ビットコインに投資すべきか、激しい議論が交わされている。
ビットコインほど刺激的ではないが、金価格は安定しており、一定の影響力を保っていくと思われる。また、現状で金の時価総額は670兆円規模で巨大だ。
一方でビットコインの時価総額は22.7兆円と金に比べるとまだまだだが、成長のスピードには目を見張るものがあり、今後金の時価総額に迫っていくのではという声もある。
ビットコインが商品として認知されるならば銀行にとって朗報
ビットコインが通貨ではなくデジタルゴールドとして認知されるならば、ビットコインによって決済市場を奪われかねない銀行にとっては朗報だ。
金融大手とビットコインとのいがみ合いが終われば、次にくるのは世界的なデジタル・ゴールドラッシュかもしれない。