JPモルガン証券のグローバルリサーチ部門トップであるジョイス・チャン氏が、7日にブルームバーグのインタビューに答え、ブロックチェーンが産業間共通の技術として普及するにはまだ時間がかかるという見方を示した。

チャン氏は、ブロックチェーンが恩恵をもたらす業界について「効率の悪い書類業務に頼っている業界」とし、とりわけ輸出入に絡む必要な資金を融通する貿易金融の分野で必要になるだろうと指摘。ただそれでもブロックチェーンが影響力を持ち始めるまでに3年から5年はかかると予想。

またサプライチェーンや物流における導入例を見ても、データインプットの自動化が大きな課題となっていると指摘した。

その上でチャン氏は、ブロックチェーンが産業間共通で普及するには課題があるとみている。

「この技術のそもそもの性質が分散型なら、どうやってスケールするというのだ?(中略)規制の問題、データ・プライバシーやセキュリティー関連の問題もまだ解決していない」

このためチャン氏は、ブロックチェーンの普及は特定のケースのみに留まっていると分析した。

一方、チャン氏は情報共有での普及も進むと予想。JPモルガンが手掛けるブロックチェーン決済プラットフォームには、すでに75以上の金融機関が参加しており、「我々は実験段階を終了して次に進んでいる」と述べた。