JPモルガンCEOのジェイミー・デイモン氏とCFOのジェニファー・ピープザック氏が、米通貨監督庁(OCC)が国法銀行にステーブルコインを使った決済を許可したことによって、同社のJPMコイン開発に影響を与えるかコメントした。この中でJPMコイン裏付けのステーブルコインプロジェクトについて「検討の非常に初期段階にある」と話した。
JPMコインはJPモルガンが開発したデジタル通貨だ。同社は米国の大手金融機関の中でも積極的にブロックチェーンの研究開発を進めており、JPMコインを利用したクロスボーダー決済に取り組んでいる。JPMコインを使うことで、同社の顧客が企業間送金や債券取引などの決済が高速化できるようになることが期待されている。
JPモルガンの2020年第4四半期決算説明会で、OCCがパブリックブロックチェーンを使って決済を国法銀行に承認したことについて意見を求められ、ピープザック氏は次のように答えた。
「ガイダンスは、パブリックブロックチェーン上での安定した取引を可能にするものだ。JPMコインに影響はないだろう。JPMコインは顧客預金のトークン化として捉えてもらいたい」
一方で同氏は、顧客が関心を示した場合に、JPMコインを裏付けとしたステーブルコインの開発について否定しなかった。
「明らかに非常に最初の検討段階にある。我々はユースケースと顧客の需要を精査している。しかし、どういった方向性で進めるのかを見極めるのかは、まだ早すぎる」
デイモンCEOは「すでにブロックチェーンを使って銀行とデータを共有しており、我々はその最前線にいる」と述べるにとどめた。
JPMコインは決済システムの中で利用されており、日常的に6兆ドルの決済に使われている。これをもとにステーブルコインの開発を進める可能性が浮上している。
デイモンCEOは仮想通貨が決済に影響を与える可能性については否定している。説明会の中でも「いくつかの銀行が仮想通貨を持っているという話があるが、本当だろうか?(中略)そういったものが出てきていることに対しては期待はあるが、我々の世界を大きく変えることはないだろう」と話した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン