日銀の物価目標2% 達成したら「アウト」で仮想通貨は「高騰」 藤巻議員がネット番組で発言

参議院議員(日本維新の会)の藤巻健史氏は2日、仮想通貨投資家の村田雅志氏が主催するインターネット番組「村田雅志のトークルーム」に出演し、日銀が掲げる物価目標2%を達成したら逆に「アウト」であり、その時、仮想通貨相場が高騰するだろうという見方を示した。

番組の中で藤巻氏は、今年2月にコインテレグラフ日本版も伝えたように、日銀破綻やハイパーインフレが起きる時は近いとし、「避難通貨として仮想通貨の需要が高まる」という見解を改めて示した。

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物価2%達成は「アウト」

今回、藤巻氏は、日銀の現在の金融政策には出口がないことを強調。利上げもバランスシート縮小も困難な状況だと解説した。

藤巻氏によると、中央銀行の当座預金への付利金利を引き上げる方法は元々FRB(米連邦準備制度理事会)が考え出したが、「FRBにはできても日銀にはできない」。というのも、もし利上げをすれば当座預金にお金を預ける民間銀行に支払う金利の額が、収入を上回ることになるからだ。

例えば、2017年度、日銀の経常収入は約1兆3000億円。2018年5月末時点の日銀の当座預金残高は384兆円だった。1%利上げをするだけで、民間銀行に年3.8兆円の金利を支払わなければならず、経常収支を大幅に超えることになる。引当金と準備金が8兆円ほどしかないので、すぐに債務超過になるというわけだ(出典:藤巻氏著書「日銀破綻」)。

また藤巻氏は、バランスシートを縮小し始めても巨額損失が生じるだろうと指摘。年間国債発行額の7割ほどを銀行や機関投資家から買っていた日銀は、「いきなり売る方には回れない」(藤巻氏)。国債市場が暴落(金利は暴騰)するまで、買い手は現れないと考えられるからだ。

このほか、国債の満期まで待つという選択肢もあるが、現在の国債は10年物が中心で30年物や40年物もある。10年以上待たなければバランスシートは縮まらないと状況だ。

このように日銀が金利を上げられず、紙幣を刷って国債の購入を続けなければいけない状況が続くとどうなるか?藤巻氏は、円安ドル高が進み「消費者物価指数が割とすぐに上がることになる」と予想。村田氏の「日銀が2%の物価目標を達成したらどうなるか?」という質問に対して、藤巻氏は「アウトですね」と即答。先述のように日銀が出口政策を実行することは困難であることから、ゆくゆくは現在の日銀は破綻することになるとし、次のように続けた。

「(物価2%達成を)成功していないからなんとかなっている。景気が悪くなってもダメで良くなってもダメという(絶妙な)ところにいるから、なんとかなっているが、こっちに(上に)振れても、こっちに(下に)振れても、仮想通貨は急騰するだろう。みんな逃げるから」

実は藤巻氏が「財政が危ない」と主張し始めたのは1997年。当時、藤巻氏がモルガン銀行東京支店長だった時で、著名投資家のドラッケンミラー氏に「日本の財政はダメだ」と言われたのがきっかけだったという。当初は信じなかったものの、結局宗旨替えをし、モルガン銀行が持っていた国債を全部売った。

その時から20年以上が経過した。「20年間はずれたから21年目もはずれる」と考えるか、「20年はずれたから、そろそろ当たる」と考えるか。藤巻氏は「人によって違うだろう」と不敵な笑みを浮かべた。

「経済的下克上の時代」へ

それでは日本の経済に未来はないのか?村田氏の質問に対して、藤巻氏は「そうではない」と否定。「ダメなのは日本ではなく日本の財政」とし、次のように述べた。

「第2時世界大戦が終わった時に軍国主義日本がなくなり民主主義国家の日本が生まれた。だから(生まれ変わるのは)大丈夫だ。しかし、移り変わりの時に4年くらいは厳しくなると思う。かなり状況は悪い。(中略)私が過激なことを言うとおっしゃる方が多いが、事態が過激だということを分かった方が良い」

一方で藤巻氏は、「日本経済がクラッシュしたら若者にとってメリットがある」とも指摘した。

「もしクラッシュがなければ、若者たちは我々の年代がつくった借金を払うためだけに、もしくは税金を払うためだけに朝から晩まで働くことになる。何の夢もない。クラッシュすれば、一度、借金ゼロになる。そしてその被害を受けるのが高齢者だろう(中略)若者たちより資産を持っている我々がポカーンといってしまい、借金のない、美しくてまともな日本を若者に引き継げるというメリットはある

”我々”の世代と若者世代にある格差。クラッシュがあると格差が「チャラ」になる。そして、お金を持っていない人たちにとって、経済的下克上の時代が来る。藤巻氏は、「起こってほしくない現実」だが「起こってしまうだろう」と話した。

今まで安心だと思っていた日本経済や円への信頼が崩れると想像することは難しいかもしれない。しかし、こうした経済シナリオについて普段から頭の体操を行い準備をすること、そして避難通貨としての仮想通貨について真剣に考えることは重要だろう。