富山第一銀行とシステム開発のインテックは28日、ブロックチェーン技術を応用したデジタル通貨の実証実験を開始したと発表した

富山第一銀行が「FBC(First Bank Coin)」と呼ぶデジタル通貨を発行。1FBCは1円とペッグする。実証試験に参加する行員がデジタル通貨専用口座に振り込んだ日本円に応じて、FBCを発行する。

富山第一銀とインテックが共同開発したスマートフォンアプリ「First B Pay」を使い、本店内部の売店での商品購入や行員間の個人間送金などを行う。商品についているQRコードをスマホで読み取ることで決済が完了する。個人間送金は送信したい相手の番号を指定するか、アプリ内のQRコードを読み取る形だ。

実証実験のイメージ図:インテック発表資料より

実証実験は28日からスタートしており、来年4月23日まで実施する。富山第一銀によれば、まず行員100人に実際にアプリを通じてデジタル通貨を使ってもらうという。

ブロックチェーンは、全国銀行協会の「ブロックチェーン連携プラットフォーム」を使っている。

実証実験を通じて使い勝手の評価や利用状況を分析し、地域通貨で想定される課題を抽出する。具体的には運営主体がコインの流通額を正しく把握できるか、販売店側では販売管理が適切にできるか、消費者の利便性やアプリのユーザーインターフェイスなどを検証。またブロックチェーン上に大量のデータ入力や、一部のサーバーを止めるといった負荷をかけえも、取引に影響がでないことも検証する。

ブロックチェーンを使ったデジタル通貨については、日本国内では三菱UFJ銀行が「MUFGコイン」を東京の本社内のコンビニエンスストアなどで行っている

日本では来年10月に消費税増税が予定されており、増税対策の一環で政府からはキャッシュレス決済を使った場合の還元策も浮上している。富山第一銀では、消費税導入を機にキャッシュレス決済が本格的に進むことも念頭に置き、実験によってキャッシュレス決済の知見獲得につなげる狙いだ。