デジタル決済企業ブロック(Block)社が、自社のキャッシュアップ(Cash App)プラットフォームに関連するコンプライアンス違反の疑いをめぐり、ニューヨーク州規制当局と4,000万ドルの和解に達したと、ブルームバーグが4月10日に報じた。
ブルームバーグが入手した当局の同意命令書によると、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は、キャッシュアップのマネーロンダリング対策(AML)および暗号資産に関するコンプライアンス業務について調査を行った結果、ブロック社に罰金を科した。
NYDFSは、ブロック社が消費者保護法に違反し、顧客に対する適切なデューデリジェンス(調査)を行っていなかったと認定。さらに、疑わしい取引の当局への報告が遅く、リスクの高いとされるビットコイン(BTC)取引の審査が不十分だったとされている。
ブロック社は「主にキャッシュアップの過去のコンプライアンス体制に関する問題を解決するために、NYDFSと協力した」としつつ、違法行為については一切認めていないとブルームバーグは伝えている。
ブロック社は2009年に、インターネット起業家でビットコイン支持者のジャック・ドーシー氏によって設立されており、同社は米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、NYDFSと昨年から和解交渉を進めていたことが示されている。
Excerpts of Block Inc.’s February Form 10K filing with the SEC. Source: SEC
なお、今回のNYDFSとの和解は、ブロック社が今年支払うことに合意した金銭的制裁としては初めてではない。コインテレグラフが報じた通り、同社はAMLプログラムに関連する違反の疑いをめぐり、他の複数の州規制当局にも合計8,000万ドルの罰金を支払っている。
成長を続けるブロック社
規制当局の監視の目にさらされる一方で、ブロック社の事業基盤は2024年末時点でも堅調を維持していた。売上高は前年比で約4.5%増の60億3,000万ドル、1株当たり利益は51%増の0.71ドルとなった。
さらに好材料として、加盟店向けの総決済額(同社のシステムを通じて処理された総取引額)は10%増の619億5,000万ドルに達した。
キャッシュアップは成長の原動力であり、第4四半期の粗利益は13億8,000万ドルとなった。
同サービスの月間アクティブユーザー数は、2024年初めの時点で5,700万人を超えていた。
Despite reporting strong growth, Block Inc.’s (XYZ) share price has fallen more than 37% this year as part of a marketwide sell-off. Source: Yahoo Finance
キャッシュアップでは2018年にはすでにビットコインの購入が可能になっていた。2023年には、暗号資産の会計ソフト「TaxBit」が統合され、ユーザーが仮想通貨関連の税務処理をより簡単に行えるようになっている。