9月2日、イタリアの主要税務当局、Agenzia delle Entrateが、”ビットコインと仮想通貨の売買―税務上の取扱いの明文化”というタイトルの、ビットコインの財政措置とVATが仮想通貨の取引においてどのように適用されるべきなのかについて記述された新たなドキュメントを発行した。

 

ドキュメントの内容は次のようなものだ―

 

「市場参加者による伝統的な仮想通貨との取引による通貨の仲介活動は、紙幣や通貨と関連した取引の範囲を超えているため、VATの対象外である」

 

イタリアには、決済方法としてビットコインが使える場所がいくつか存在している。テニスクラブから塗装工、朝のベッドでの朝食から弁護士まで、特に観光やコンピューターの業界において、必要なものは全てビットコインで買うことが可能だ。

 

個人のビットコインユーザーたち

 

ドキュメントには、ユーザーの種類―個人と企業―に応じた異なる規則が明記されている。最近の欧州司法裁判所の指定するガイドラインに従って、事業活動を行っていない個人のビットコインを保有するユーザーに対しては、これらは投機目的のものではないため、課税所得を生まないスポット取引であると明確に定義されている。

ビジネス・コンサルタント兼税務顧問であるAntonello Gaviraghi氏は、コインテレグラフに次のように説明している―

 

「個人のユーザーの所得に関しては、彼らは投機目的で利用しているわけではないため、非課税対象ではないと決議の中でしっかりと定義されています。しかしながら、この解釈は相対的に見て少量のビットコインの所持であっても適用されます。

通貨における個人間の取引によって得た収入は、少なくとも7日間で口座に入金された保有する全ての外貨が、調査報告期間当初、または1月1日の為替レートで計算して516万4,569ユーロを超えた時に課税対象になります」

 

ビットコインを保有する企業

 

しかし、個人ではない場合、Agenzia delle Entrateの決議には、ビットコインの売買や購入の仲介によって得た歳入は―関連コストを差し引いて、IRASやIRAPの対象となると明示されている。

企業によって所有されるビットコインを年末に総決算するためには、正常値や当時の相場を考慮する必要がある。このため、企業は未実現利益や未実現損失に対して税金を払わねばならず、こういった決議は企業にとっては不利になると、Gaviraghi氏は説明する―

 

「取得原価と年度末決算の齟齬から生じた如何なる未実現利益や未実現損失もキャピタルゲイン課税の対象になります。これは、ビットコインを企業活動のために保有している企業にとっては、まだ実現していないだけでなく、推定されているだけの利益から判断して税金を支払う必要があることになるため、深刻に不利な点となります」