イスラム原理主義組織「イスラム国(ISIS)」が、ブロックチェーン技術を使い、プロパガンダを進めている。米メディアのViceが14日に報じた。ブロックチェーン基盤のメッセージングアプリ「BCM」を使い、メンバー同士の匿名化したやり取りを試みているという。
ISISは、イラクやシリアの領内で活動するイスラム原理主義勢力だ。自身のプロパガンダを発信するため、ソーシャルメディアを積極的に活用していることで知られている。
MITテクノロジーレビューの記事によると、2014年のISISの勢力拡大時には、ソーシャルメディア、特にツイッターを積極的に活用した。
しかし、ツイッターやフェイスブック、ユーチューブなどがISIS関連のコンテンツを相次いで禁止。そのため、ISISは自身のプロパガンダを発信するため、メッセージングアプリの活用へとその軸を移している。
ISISは今年、暗号化メッセージングアプリ「テレグラム」を積極的に使っていた。ジョージタウン大学の調査によれば、英語話者のISIS支持者はテレグラムを使い、世界中の仲間と交流し、ISISのプロパガンダを広めている。
テレグラム側はその後、ISIS関連を禁止する措置を取った。ISIS Watchによれば、テレグラムは今年5月に8,291のISIS関連のボットとチャンネルをバンした。VICEによれば、11月末にはEUの法執行機関がテレグラム上のISIS関連アカウントとネットワークを解体したという。
BCMの機能の詳細
ISISはHoop、TamTam、RocketChat、Riotなどのアプリも試したそうだが、BCMのアプリの機能に注目しているという。
BCMは「Because Communication Matters(コミュニケーションが重要だから)」の略だ。ユーザーの匿名性やエンドツーエンドの暗号化メッセージ、一貫したプライバシー保護がその特徴だ。
BCMのプライベートチャット・グループチャットで送信されたすべてのメッセージはエンドツーエンドで暗号化されている。サーバー上のほかの第三者がそのコンテンツにアクセスできない形になっている。
BCMの最も大きな特徴の1つは、最大10万人のユーザーを収容できる「スーパーグループ」を作成できることだ。
これがあれば、ISISは自身のメンバーや支持者に対して、数秒で大量の連絡を取ることができてしまう。またBCMでユーザーIDを取得する際には、電話番号や電子メールアドレスを必要としないため、ユーザーの匿名性が確保される。
今回の件について、BCMは「こいかなる形であってもテロリストや過激派を支持することはない」と、Viceにコメントしている。
またBCMの担当者は、コインテレグラフに次のように語った。
「私たちの目標は、最も安全な通信チャンネルを提供し、ユーザーのデジタル通信の自由を守ることだ。これは現在の民主社会の礎であると固く信じている」
その上で「私たちは現地政府の法律や規制を順守することを約束する」とし、公正かつ適切な条件でサービスを提供できない場合には営業を停止するとしている。
.翻訳・編集 コインテレグラフジャパン