仮想通貨の著名な投資家の中には、仮想通貨市場の底が急速に近づいており、買うべきタイミングだと考えている人もいる。しかし、別な投資家は、価格が重要なサポートレベルを下回ると破滅的な結果につながると警告している。

仮想通貨企業ギャラクシーデジタルの創業者兼CEOのマイク・ノボグラッツ氏は6月13日、モルガンスタンレーのカンファレンスで、仮想通貨は底値に近いかもしれないと語り、イーサリアム(ETH)は1000ドル、ビットコイン(BTC)は2万~2万1000ドル程度をキープする可能性が高いと述べた

米国株はさらに15%から20%下落する可能性があるが、仮想通貨の底は米国株よりも早く実現するだろうと、ノボグラッツ氏は言う。

「イーサリアムは1,000ドル前後を維持するはずで、今現在は1,200ドルだ。ビットコインは2万ドル、2万1000ドル前後を維持するだろう。今は2万3000ドルだ。私が思うところ、株式はあと15%から20%下落するだろうが、仮想通貨の方がはるかに底に近いだろう」

アーサー・ヘイズは売りリスクを警告

ビットメックス共同創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏も同様の見解を示し、6月13日にTwitterでラップドビットコイン(wBTC)とイーサのオンチェーンデータが「ほとんどの清算が起こった」ことを示していると指摘している。

しかし、ヘイズ氏は、BTCとETHがそれぞれ2万ドルと1,000ドルのサポートレベルを下抜けた場合、「現物市場に大規模な売り圧力がかかる」と警告している。

パル氏とスカラムーチ氏は「買いゾーンにある」と指摘

マクロ投資家のラウル・パル氏は、最近の市場低迷を仮想通貨のポジションを追加する機会として捉えている。パル氏は6月14日、ビットコイン(BTC)が「買いゾーンにある」と言い、「おそらく来週から7月にかけて、仮想通貨のポジションを "大幅に "追加する準備をしている」と付け加えた。

ゴールドマンサックスの元幹部であるパル氏は、ビットコインの底が迫っていることは週足の相対力指数(RSI)が31となり、過去最低の28に近づいていることからもわかると説明した

RSIは買われ過ぎや売られ過ぎの状態を示す指標だ。Investopediaによると、RSIの数値が30以下であれば、売られすぎ、割安の状態を示している。

パル氏は、彼のフレームワークでは長期的な時間軸で60%のドローダウンを想定することが多いと言い、こう付け加えた。

「実際、リターンを最適化する最良の方法は、市場が重要なトレンドを試したときに大きく追加することだ」

スカイブリッジ・キャピタルの創設者であるアンソニー・スカラムーチ氏は6月13日にCNBCの番組の中で、投資家は仮想通貨の低迷の中で「規律を保つ」べきだと述べ、彼のファンドがビットコインとイーサリアムをポートフォリオに加え続けていると言及した。

「我々のファンドに入ってくる現金の増加分で、我々はより多くのビットコインとイーサリアムを買った。[...] 実際、人々はこの騒動を振り返って、それを買うための新鮮な現金があればよかったと言うだろう」

ノボグラッツ氏は、このタイミングで投資することについてあまり積極的ではなく、より保守的なアプローチをとるという。経済がさらに落ち込む可能性があるので、まだ「多くの資本を投入する時期ではない」と語った

「経済は非常に悪い。FRBが利上げを止めなければならないと本当に思うまでは、本当に多くの資本を投入する時だとは思わない」