7月13日に過去最高値をつけた仮想通貨(暗号資産)チェインリンク(LINK)。急騰の後に7ドル台まで下落したものの、記事執筆時点でLINKは再び最高値に迫ろうと上昇を続けている。
(出典:Coin360 「LINK/USD 7月15日午前10時55分」)
LINKは2020年に167%上昇し、仮想通貨市場で最もパフォーマンスが高い銘柄の一つとして注目が高まっている。しかし、このような高騰は今回が初めてではない。
2019年には1481%増など爆騰。コインマーケットキャップによると、最初の上場で購入した人のリターンは現在、5000%を超えるという。
ブロックチェーン分析企業、サンティメントの最近のデータによると、LINKの投資家は平均で64%の利益を得ていると推定されている。LINKは現在、サンティメントの新興トレンドリストでトップにランキングされた。
LINKはバブルか
LINKがこれだけ上昇を見せていることから、バブルではないかとの疑念が出ている。3月12日にビットコイン価格が3750ドルまで暴落して以来、多くのアルトコイン、特にDeFi(分散型金融)に関連したアルトコインが2桁、3桁の利益を計上している。
LINKの価格やアルトコインの上昇は、「アルトシーズン」が始まったと感じさせるものだ。
しかし、この上昇がFOMO(取り残される恐怖によって買いが集まり、価格が上昇すること)によるものなのか、その他のファンダメンタルズによるものなのかを確認する必要があるだろう。
コインメトリックスはいくつかのデータ指標がLINKの価格を支えていると指摘している。
例えば全アクティブアドレス数とトランザクション数が上昇している。これはLINKを保有している人や利用している人が増えていることを示している。
(出典:コインメトリックス 「LINKのアクティブアドレス数とトランザクション数」)
また、チェインリンクに関するエンティティ(企業、投資家、ノード運営者)も増えている。バイナンスに続いて、Huobiも自社の価格データをネットワークに提供するため、ノードの運営を開始している。
また、6月には中国のブロックチェーン・サービス・ネットワーク(BSN)がチェインリンクと統合し、現在135のノードを運営している。
LINKの需要はDeFiで後押し
チェインリンクのオンチェーン活動とノード数の増加は、ネットワークの健全な成長を示しているが、他の力が働いている可能性がある。
例えば、LINKのようなDeFi対応コインは、DeFiレンディングプロトコルであるAaveなどのサービスによって需要が高まっている。
また、分散型ブラウザ「ブレイブ」の独自トークン「ベーシック・アテンション・トークン(BAT)」がコンパウンド(Compound)の開発によって価格が急騰した背景も報じられるなど、DeFi全体で価格を押し上げ要因として働いていることも考えられる。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン