米国のジョー・バイデン大統領が署名したインフラ投資法の一部が、1月1日から施行された。その中には、1万ドル以上の仮想通貨取引を内国歳入庁(IRS)に報告する義務が含まれている。

この法案は、米議会で可決され、バイデン大統領が2021年に署名した。仮想通貨取引所やカストディアンなど、多くの仮想通貨関連事業者に、1万ドル以上の仮想通貨取引をIRSに報告する義務を課している。法案の可決後、多くの議員は、この報告義務を「修正」するための追加立法を提案した。ブローカーから要求される情報は収集が困難または不可能であると主張したためだ。

この法案では、ブローカーは、送信者の氏名、住所、社会保障番号などの個人情報を15日以内にIRSに報告することが義務付けられている。この義務は、米国の税収の漏れを減らすことを目的としている。

コインセンターのジェリー・ブリト氏によると、IRSからのガイダンスなしでは、多くのユーザーが報告義務を遵守することが「困難」になるだろうという。同氏は、申告者は法律を遵守しようとしても、重罪に問われる危険性があると推測した。

「マイナーやバリデーターが1万ドルを超えるブロック報酬を受け取った場合、誰の名前、住所、社会保障番号を報告すればよいのか。オンチェーンで仮想通貨を交換して1万ドルの仮想通貨を受け取った場合、誰を報告すればよいのか。また、特定の仮想通貨の金額が1万ドルを超えるかをどの基準で測定すればよいのか」

ブリト氏は次のようにも疑問視した。

「この要件の本当にトリッキーな性質は、誰かがそのような寄付をしたが、匿名で単にビットコインやイーサを私たちのパブリックアドレスに送った場合に明らかになる。その場合、誰を送信者としてリストするのだろうか」

コインセンターは8月、IRSが仮想通貨取引の「デミニミス免除」を設立することを提案した。これは、報告ガイドラインの曖昧さを解消し、政府が仮想通貨取引の第二当事者に報告義務を課さないようにするための解決策だ。IRSは2019年から、米国の納税者にデジタル資産取引について具体的に報告することを要求している。しかし、この法案でこれらの要件が拡大されたため、2024年には報告が困難になる可能性がある。