米内国歳入庁(IRS)の犯罪捜査部門は、4日発表した2023会計年度の年次報告書で、仮想通貨取引の申告漏れに関する調査件数が増加したと発表した。
報告書によると、IRSは同会計年度に2,676件の調査を行い、税務や金融犯罪に関連する370億ドル以上を特定した。IRSは、仮想通貨の利用拡大に伴い、関連する税務調査も増加していると分析している。
これらの調査は、仮想通貨の売却による譲渡所得の申告漏れ、仮想通貨のマイニングによる収入、給与や賃貸収入、ギャンブルの賞金など、仮想通貨で受け取った収入の申告漏れなどが対象となる」と説明している。また、「納税者が仮想通貨の保有を申告せず、保有を隠そうとする支払い違反も見られる」と述べた。
Our FY23 Annual Report highlights more than 2,600 investigations, $37.1 billion identified from tax and financial crimes. #IRSC #ByTheNumbers#WhatWeDoCounts
— IRS Criminal Investigation (@IRS_CI) December 4, 2023
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IRSは2019年から、米国の納税者に仮想通貨取引の申告を義務付けている。報告書でIRSの犯罪捜査部門長を務めるジム・リー氏は、「仮想通貨を利用するほとんどの人は正当な目的で利用している」と述べたが、仮想通貨はテロの資金源やランサムウェア攻撃、その他の不正活動の資金源となるリスクがあると指摘した。
IRSは2015年から仮想通貨関連の犯罪捜査を強化しており、これまでに100億ドル以上の仮想通貨を押収している。また、納税逃れを減らすため、ブローカーの報告義務に関する新たな規制を検討している。