IoT(インターネット・オブ・シングス、物のインターネット)に特化した仮想通貨であるIOTAの開発チームが、マイクロソフトと正式なパートナーシップ協定を結んでいないとして事実関係を正した。IOTA基金(本拠・ベルリン)が20以上の企業や団体と組んでリリースしたIoTデータをやり取りするプラットフォームであるデータ・マーケットプレイスに関するリリースの中で、マイクロソフト担当者のコメントがネット上で誤解を招いていたことに対応したかたちだ。

 ネット上のメディアがこぞってマイクロソフトとの「パートナーシップ」を取り上げたことも材料になり、IOTA価格は一時6倍にもなっていた。

 リリースの中で、マイクロソフトのブロックチェーン専門家であるオムカー・ナイーク氏は次のように引用されていた。 

“We are excited to partner with the IOTA Foundation and proud to be associated with its new data marketplace initiative.”

IOTA基金と組むことに興奮している。その新たなデータ・マーケットプレイスと連携できることを誇りに思う。

 IOTA共同創始者のドミニク・シャイナー氏はメールでのインタビューに答え、今回広まった誤解に関して次のように述べている。

マーケットプレイスに参加する企業がパートナーであると表現したことはない。参加者とよんでいる。

 マイクロソフト側は「IOTAはマイクロソフトAzureの顧客で、データ・マーケットプレイスをAzure上でテスト・展開しようとしている」とした。

 一方で、正式な提携契約はないものの、両者は天候センサーをIOTAの台帳技術に接続するなど、IOTAの推進する「タングル」技術に関する協業をすすめている。

 また、シェイナー氏によると、マイクロソフトだけではなく複数他社とも実験をすすめており、第一回目の結果も間もなく公開されるという。

 データ・マーケットプレイスに関するリリース発表以来、もともと約3000億円だったIOTAの時価総額は1.2兆円まで急成長している。