分散型金融(DeFi)向け相互運用性提供プロジェクト「インターレイ(Interlay)」は3月5日、ポルカドット(Polkadot)関連開発において、Web3財団(W3F)から助成金を獲得したと発表した。この助成金は、ポルカドットとビットコイン(BTC)を接続するための特殊な並列ブロックチェーン(パラチェーン)開発に利用するという。
ポルカドットは、様々な仮想通貨・ブロックチェーンを接続し相互運用性(インターオペラビリティ)を高めるため設計されたプラットフォーム。W3Fと、イーサリアム共同設立者ギャビン・ウッド氏が率いるパリティ・テクノロジーズが開発に参画している。
また、W3Fは助成金プログラムを用意し、各種ブロックチェーン接続用パラチェーン・テストツール・ウォレットなどの開発といった、ポルカドット改善に取り組むプロジェクトにそれぞれ最大10万ドル(約1053万円)の資金を提供。同財団は、2020年第1四半期に審議した第5回助成金対象の受領対象のひとつとしてインターレイを採用したそうだ。
インターレイは、今回の助成金をBTCブロックチェーン接続のためのパラチェーン開発に利用する。
インターレイとは?
インターレイは、DeFi向けに相互運用性提供をうたうプロジェクト。異なるチェーン間において1:1で裏付けられたアセットを作成することを目的に、ブロックチェーンに依存しない相互運用性フレームワーク「XCLAIM」を2018年から開発しているそうだ。BTCとポルカドット接続のためのパラチェーンは、このXCLAIMを基盤に「BTCパラチェーン」として開発を行うとしている。
XCLAIMは、あるチェーンから任意チェーンへの資金移動について、「担保仲介者」を利用するという。この仕組みにより、アトミックスワップ(取引所仲介が存在しない仮想通貨交換)同様ユーザーは「独自の仲介者」になれるそうだ。
またインターレイによると、信頼関係のない第三者を経路として仮想通貨送受金を安全に行う技術HTLC(ハッシュド・タイムロック・コントラクト)に基づくアトミックスワップよりも、XCLAIMは「95%高速で、(手数料が)65%安価だ」と主張している。
ポルカドットの進捗
ポルカドットは2020年2月25日、チェインリンク(LINK)を統合すると報じられた。 LINKは、各種スマートコントラクトに対して実世界情報を変換・提供する分散型データ管理システムにあたり、分散型オラクルなどとも呼ばれる。
またW3Fは2月24日、ポルカドットのレイヤー2開発に関して、セラー・ネットワーク(CELR)と提携したと報じられた。セラー・ネットワークは、レイヤー2スケーリング技術およびプラットフォームを開発。決済システムや(オフチェーンの)スマートコントラクトに対して、簡単で安全な高速取引の実現を目指している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン