米議会下院は、政府の予算を確保するための上院からの法案を否決し、下院議長ケビン・マッカーシー氏の提案も極右派の下院議員から支持を得られていない。これらの動きから、米国政府は10月1日からの閉鎖に向かっていると見られる。
米国政府の閉鎖は、議会が翌年度の予算案を通過できない場合に発生し、すべての連邦機関が「必要不可欠」な活動を停止することを意味する。閉鎖が数時間だけであっても(2018年2月のものは1日未満だった)、 活動が再開後に仮想通貨関連の法案は他の政策に後回しにされる可能性がある。
閉鎖の最中、デジタル資産に関する法案は停止し、証券取引委員会(SEC)や商品先物取引委員会(CFTC)などの金融規制機関は最小限の人員で運営される。2019年の閉鎖時、実際にSECの職員が執行や監督能力が限定されていた。
「閉鎖後の影響で、どの問題が議会の関心を集めるかは不明だ」と、クリプトカウンシル・フォー・イノベーションのシェイラ・ウォーレンCEOはコインテレグラフに語った。「政府の予算確保とは別に、議会は多くの法定期限に直面することになり、年末までに追加の立法措置が必要となるだろう」。
7月には、下院金融サービス委員会の議員たちは、21世紀の金融イノベーション・技術法(FIT)、ブロックチェーン規制確認法、ステーブルコイン決済明確化法、そしてコイン保持法を可決した。しかし、閉鎖が発生すれば、これらの仮想通貨関連法案について何も行動を起こすことはできない - 改正も、本会議での投票も不可能だ。
ウォーレン氏は、議会の優先事項が閉鎖の中で生じる問題に移行し、2024年の選挙が近づくにつれ、さらなる混乱が起こる可能性があると指摘した。財務長官のジャネット・イエレン氏は9月29日の演説で「下院共和党の行動不足」に反対の意を示し、閉鎖は「危険で不必要」であり、将来的に「経済的な逆風」を引き起こす可能性があると主張した。
「下院の共和党員の分裂と上院が独自の方向に進んでいることから、閉鎖が起こる可能性がますます高まっている」と、ブロックチェーン協会の政府関係部長であるロン・ハモンド氏は9月25日のXスレッドで語った。「仮想通貨にとって、閉鎖が長引くほど、FIT/市場構造やステーブルコインを含むさまざまな法案が後回しになる」。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン