インドネシアの最有力副大統領候補であるギブラン・ラクブミン・ラカ氏は、ブロックチェーンと仮想通貨分野における人材育成を強化すると発言した。
インドネシア中部のソロ(スラカルタ)市長を務めるギブラン氏は政治集会で、政党は若い世代にデジタル分野での機会を提供すると強調。同氏は、将来性を持つスキルを身につけた人材を育成していくと述べた。複数のインドネシアメディアが報じた。
デジタル分野への取り組みにはブロックチェーンと仮想通貨の分野への進出も含まれる。イベントでギブラン氏は、ブロックチェーンや仮想通貨、サイバーセキュリティの専門家を育成するとした。また、同氏は人工知能やデジタルマーケティングの専門家も育成するという。
現インドネシア大統領のジョコ・ウィドド氏(通称ジョコウィ)の長男でもあるギブラン氏は、インドネシア国防相で大統領候補であるプラボウォ・スビアント氏の副大統領候補に選出されている。プラボウォ氏は現在、2024年2月14日に予定されているインドネシアの大統領選挙で最有力候補だ。民主化活動家の拉致監禁などの人権侵害といった悪いイメージがあることで、特に中高年層には不安視される「エリート軍人」のプラボウォ氏が、ジョコウィ大統領の人気や若者の支持をとることを狙ってギブラン氏と組んだ。
プラボウォ氏は過去の強面イメージからは想像できないような「ゆるキャラ」を押し出して今回の選挙を戦っている。親しみやすさや先進性を押し出すことで、Z世代の票獲得に注力しており、今回のギブラン氏のデジタル人材に関する発言もこうした流れによるものだろう。
インドネシアは過去に仮想通貨決済を禁止したにもかかわらず、2023年に仮想通貨分野への取り組みを強化している。インドネシア政府は5月28日、仮想通貨決済を利用する観光客を取り締まり、罰則として国外退去やその他の刑事罰など「厳正に対処する」と表明した。
7月21日、同国は国家仮想通貨取引所を立ち上げた。同取引所は、インドネシア国内の規制当局が監視する。インドネシア政府によると、同プラットフォームは、国内で唯一、デジタル資産の交換が合法な場所となる。