仮想通貨分析企業のコインシェアーズは、ビットコインマイニングに関する最新のレポートを発表した。同社の推計によれば、ビットコイン価格が現在の水準(7300ドル)であれば、平均的なマイナーにとっては収益性ある状態だ。

出典:Coinshares "The Bitcoin Mining Network"

ビットコインのハッシュレートは過去6か月間、右肩上がりで上昇してる。

ハッシュレート上昇の背景の1つは、最新のマイニング装置が導入されたことだ。

「過去1年間でマイニング装置で大きな改善がみられた。かなりの数の装置がネットワークに導入された。〔中略〕特に春と夏にビットコイン価格が上昇したことで、マイナーはより強力で効率的なマイニング装置への再投資に資金を活用した」

最新モデルであれば、前世代のモデルに比べてハッシュレートは5倍に拡大するという。前世代のモデルについては、イランやカザフスタンといった地域に輸出されているそうだ。

電気代やマイニング装置の減価償却費などをもとに、現在のマイニングの限界費用の市場平均は6300ドルと推計している。またビットコインマイニングのキャッシュフロー損益分岐点は、市場平均的で3900ドルだ。

これらの推計から、現在のビットコイン価格でも平均的なマイナーは収益が出るとしている。

ただし、来年春に予定されているビットコインの半減期でこの状況は大きく変化するとみられる。

「ビットコイン価格が劇的に上昇しない限り、ネットワークで広く普及しているAntminer S9といった旧式の装置は耐用年数の終わりに近づくことになる」

また既報の通り、ビットコインマイニングでは中国がハッシュパワーの66%を占めている状況だ。