19日の仮想通貨(暗号資産)市場は久しぶりに全面安の展開だ。ビットコイン(BTC)は、18日深夜の急落から12000ドルのサポートライン付近の攻防を続けている。ただ、最近の勢いから、アナリスト達は強気の姿勢を変えていない。ビットコインが過去最高値である2万ドルを破った後の値動きの議論が始まっているようだ。
(出典:Coin360 8月19日 午前11時30分)
著名仮想通貨アナリストのウィリー・ウー氏は今月中にも14000ドルを超えて上昇すれば「面白くなる」としてこれまでの月足チャートをツイート。急激な上昇が始まるのではないかと予想した。
ウー氏が引用したチャートを作成したNunyaBisniz氏も19日に同様に月足チャートを投稿。過去3回に渡って、ビットコインが最高値を破った際には、次のピークを迎えるまでほとんどがプラスで終わっており、マイナスになる月はほとんどないことを指摘した。
BTC monthly:
— Nunya Bizniz (@Pladizow) August 18, 2020
The past 3 times BTC has closed back above its previous monthly all time closing high, until the next peak is reached, red candles were rare.
This time? pic.twitter.com/Q9HNuhxiz4
NunyaBisniz氏は18日に2011年からのビットコインの動きを掲載。半減期を境に、「強気」→「弱気」→「蓄積」→「拡大」→「再蓄積」というサイクルが繰り返されていることを指摘し、現在は「強気」期間の初期段階であることを主張した。
現在が「初期段階」であるというのはウー氏も同じだ。
ウー氏はこれまでにもビットコインが過去最高値である2万ドルをつけた際と同じ動きになっているとして「強気相場の初期段階にある」と主張している。特に2016年と今回は市場の「成熟度」に大きな違いがあるとし、この「成熟度」は歴史的に価格推移とボラティリティの両方を決定づけてきたという。
「テーマの1つは、大規模な機関投資家向けのBTCの合法化、そして一般の人がスクエアやペイパルなどを通じて仮想通貨を簡単に購入できるアクセス性、そして私が取り組んでいる仮想通貨とバンキングを統合させるLVLもそのテーマの1つであることは言うまでもない」
さらにウー氏は現在世界経済が自信がなくなっていることから、安全資産である金の価格が上昇していることに注目。ビットコインもリスクオン資産として取引されることで大きな変動が発生するとし、時価総額が現在から5倍の1兆ドルに達すると予想。ビットコインは5万ドル〜6万ドルに到達すると予想している。
ユーザーから「ビットコインはデジタルゴールドなので、リスクオフ資産の間違いではないのか?」との質問に対して、ウー氏はビットコインをリスクオン資産と表現したことについて、ビットコインが3月に新型コロナウイルスの最中に暴落した一方で、金はこれに耐えたことを引き合いに出し、「投資家はリスクオンと考え、売りが出た。ビットコインは安全資産である『デジタルゴールド』としての地位を証明してはいるものの、実際の市場ではそこまで至っていない」との見解を示した。
実際に、現在ドルが下落するなかでリスクオンの動きで安全資産の買いが弱まり、リスクオンの動きから、米国株価指数であるS&P500が半年ぶりに過去最高値を更新している。