Hut8マイニングは、カナダ・オンタリオ州の閉鎖されたノースベイ施設から6400台のリグを移動させる過程で、人工知能(AI)とハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)への新たな需要を見いだしている。

Hut8はサードパーティのエネルギー供給業者ヴァリダス・パワーとの間で、契約義務を満たさなかったとされる訴訟を続けている。これを受け、ヴァリダス・パワー施設の運用は2022年11月以降停止している。

Hut8はコインテレグラフとのやり取りで裁判の進行状況についてコメントを控えたが、6400台のマイナーがテキサス州に移動し、休止中の機器を再稼働させる方針であることを確認した。同社は、このマイナーが2023年7月末までに稼働し、運用能力を600ペタハッシュ/秒に引き上げることを予定している。これにより、Hut8の総ハッシュレートは3.2エクサハッシュ/秒になる見込みだ。

ノースベイからの6400台のマイナーについて、3ヶ月間のホスティング契約が結ばれ、Hut8は月々の更新を計画している。Hut8は、2023年3月にノースベイから988台のマイナーをカナダ・アルバータ州のメディシンハット施設に移動させている。

Hut8のジェイミー・レヴァートンCEOは、過去18ヶ月間厳しい市場状況が続く中での仮想通貨マイニングエコシステムの現状についても言及した。「業界は過去数ヶ月間でよく反発し、当初予想以上の勢いを見せている。これは一部、我々が先駆けとなってHPCとAIコンピューティング領域に進出したことに追随する同業者が増えたことによる」と彼は語った。

AIとHPCは引き続き注目を集め、投資を引き付けている。パロアルトを拠点とするインフレクションAIは、マイクロソフトとNvidiaが主導する13億ドル投資を受け入れ、その一部を2万2000台のNvidia H100 Tensor GPUクラスターの建設に充てる予定だ。

また、Hut8はビットコイン(BTC)マイニングに特化した運用以外のサービスやソリューションを提供するためのインフラを展開し始めている。レヴァートン氏は、ブリティッシュコロンビア州保健局へのコンピュータインフラとホスティングサービスの提供に関する新たな5年間の契約や、3D生成AI企業XYZ AIとのケーススタディを強調した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン