カナダのビットコイン(BTC)マイニング企業であるハット8マイニングは、米国の仮想通貨取引所コインベースの子会社から信用供与枠を確保した。

ハット8は6月26日に公式に発表し、コインベースクレジットと5,000万ドル(約71億円)の信用供与契約を締結したという。信用供与枠には、ハット8の子会社であるハット8ホールディングスが借り手として関与している。

発表によると、この融資は一般的な事業目的に使用される予定である。信用供与枠は、1,500万ドル(約21億円)の期間限定ローンを提供し、取引完了時またはその後に資金調達が行われることが予想されている。このローンは、取引完了後1~2ヶ月以内に追加の2,000万ドル(約28億円)のタームローン・トランシェを取得するオプションを提供する。また、3つ目のオプションとして、さらに1,500万ドルのタームローン・トランシェを引き出すことができる。

最後のトランシェは、ハット8と米国データマイニンググループ(別名USビットコイン)との合併が完了した後、15営業日以内に提供される予定であると発表で述べられている。

ハット8のジェイミー・レヴァートンCEOは、信用供与枠が同社に追加の財政的柔軟性を提供すると述べ、ビットコイン半減期を控えたこのタイミングでの信用供与枠の重要性に言及した。半減期により、BTCマイナーのブロック報酬が6.25 BTCから3.125 BTCに減少することが予定されている。レヴァートン氏は、「半減期に向けて、我々のダイナミックなビットコイン財務管理戦略を維持できるようにする」と語った。

ハット8は、BTCマイニング業界が直面する大規模な財政問題にもかかわらず、BTCを保有し続ける主要なビットコインマイナーとして台頭している。アルゴ・ブロックチェーンなどの一部マイニング企業は、2022年の弱気市場の中でBTC保有分の一部を売却せざるを得なかったが、ハット8は「長期保有戦略」を忠実に実行している。

ハット8は、2023年3月31日時点で、9,133BTCを自社でマイニングし、保管していると、2023年第1四半期の財務報告で述べている。「半減期に向けて、ビットコインの保有量を戦略的に増やし、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)事業を拡大し続けることに焦点を当てる。成長する人工知能市場での機会を探求する」と、当時CEOは述べていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン