米カリフォルニア州ベーカーズフィールドで、匿名のビットコインキャッシュ(BCH)支持者がBCHの普及に貢献していると話題になっている。

9月17日に投稿されたブログ記事によると、自称「匿名グロースハッカー兼メディア・マニピュレーター」の「ビットコイン・マン・オブ・ベーカーズフィールド(BMB)」氏はこのほど、町中に合計で1100ドル(約11万4000円)相当のBCHのQRコードステッカー100枚を設置したという。

BMB氏はコインテレグラフに対し、「仮想通貨(暗号資産)を配布することは人々を助けることになる。しかし本当の動機は楽しくて面白い方法によって、認識を広めることだ」と仮想通貨が広く人々に認知されることが目的だと話した。

こうした「宝探し」を行う人々のために、BMBはビットコインキャッシュのQRコードタグの下部に「あなたが求める金(ゴールド)は神父とともにある」など、さらに他のステッカーの場所の手がかりも記した。これはフランシスコ・ガルセス神父の像に、今回設置した最高額である500ドルのQRコードが置かれているヒントだったようだ。

この活動が話題になったのは、BMB氏が自らフェイクニュースを流したことも効果があったようだ。BMB氏はステッカーを写真に撮り、フォトショップで加工することで、あたかもインスタグラムやフェイスブックで「いいね」や「シェア」、コメントを多くもらっているように見せかけた。そうしてソーシャルメディアでの反響が「急増」したように思わせ、さらに、ステッカーを見つけた人には地元新聞社に連絡をとるように要請。その結果、大きな話題となった。

ただ、配布した1100ドルのうち、約80ドル分はゴミ箱に捨てられたり、ダウンロードされなかったりしたという。

ベーカーズフィールド在住のインディアナ・ロンドンさんはこのQRコードを発見した一人だ。ロンドンさんは当初、詐欺かと思ったが、とりあえずウォレットをダウンロードしたという。

「別の場所に移動して、ビットコインウォレットアプリで数枚のステッカーをスキャンして、合計125ドルをアカウントに入れたわ」と話した。

BMB氏は地元テレビニュースのABCテレビに「部分準備銀行制によるスキャム」を避けられるように、仮想通貨の普及を促したと主張。さらに人々に対し、紙幣には「何にも裏付けがない」ことを周知しようと考えたという。

普段は米国外に住んでいるというBMB氏は当面はベーカーズフィールドにとどまり、今後は2000ドル以上の寄付を考えているという。ただ現在、BMB氏のウォレットには記事執筆時点で7.62BCH(約18万円)が入金されているのみで、自身の資金源については明らかにしておらず、ブログを通じてBCHの寄付を呼びかけている。

寄付の対象者としては特に「ニューコイナー(新しく仮想通貨を保有する人)」や「ノーコイナー(仮想通貨を持っていない人)」をターゲットにしているという。仮想通貨を保有している人もすでにダウンロードしているようだが、500ドルのQRコードを手に入れた人は、ビットコインについてほとんど知らなかった人だったという。

(出典:BMB)

BCH支持者であるロジャー・バー氏がこのキャンペーンのニュースをツイートし、バー氏が保有するBitcoin.comでもこの話題は取り上げられているが、BMB氏の取り組みはこうしたプラットフォーム側とはなんの関係もなく、BCHにこだわっているわけでもないという。BMB氏はビットコインやモネロ(XMR)を配布することも可能だが、手数料の安さやBitcoin.comを使ってギフトステッカーを印刷できるという利点からBCHを選んだとしている。

「トップ10のコインならどれでも喜んでやる」と話しており、「私の目標は多くの人の注目を集めることだ」という。

「もしあなたが仮想通貨に夢中になっているなら、お互いで争いのはやめよう。その代わりにエネルギーを人々と共有することに使おう。ビットコインを買うように進めるのではなく、送付して、実際に見せてあげよう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン