仮想通貨(暗号資産)投資信託を手掛けるグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)は、わずか2週間で運用する資産を10億ドル増加させることに成功した。

7月28日のグレイスケールのツイッター投稿によると、グレイスケールは現在51億ドルの運用資産を保有している。運用資産の大部分は、グレイスケールのビットコイン(BTC)投資信託やイーサリアム(ETH)投信で保有されている。ビットコインキャッシュ(BCH)やライトコイン(LTC)、ステラ(XLM)、XRP、ジーキャッシュ(ZEC)などの投信の保有額はわずかだ。

Grayscale assets under management

出典: Twitter グレイスケールの運用資産

グレイスケールが7月17日に投稿した内容と比較すると、わずか11日間で運用資産が10億ドル増加したことになる。変化があった部分を見てみると、ビットコイン投信で7億8200万ドル、イーサリアム投信で1億7400万ドル、イーサリアムクラシック(ETC)投信で1270万ドル、ライトコイン投信で670万ドル増加している。またビットコインキャッシュ投信において運用資産額が倍増し、600万ドルから1280万ドルに増えている。

ただステラ投信だけは、運用資産残高が60万ドルから50万ドルに低下している。

新たな投信の開始

グレイスケールは7月20日に、米国の自主規制機関である金融取引業規制機構(FINRA)が、ビットコインキャッシュ投信とライトコイン投信の株式公開を承認したと発表している

2つの株式はBCHGとLTCNというティッカーシンボルであり、店頭取引(OTC)市場で取引可能となる。2つのデジタル資産の取引は、世界最大の証券預託機関であるDTCの承認を得て、取引高を公開することになるという。

グレイスケールの投資信託は、実際にトークンを保有する必要なし、仮想通貨に投資する手段を提供する。グレイスケールによると、この戦略は「ビットコインキャッシュやライトコインを直接購入、保存、保管するという課題」を回避することができる。

ビットコインの新規購入は停止

グレイスケールは現在、ビットコインの運用資産残高が43億ドルとなっているが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類を見ると、グレイスケールは6月19日以降、新たな仮想通貨を購入していないことを示している。

グレイスケールの広報担当者は、BTC購入の停止は一時的なものであり、運営上の沈黙期間が原因であると、コインテレグラフに説明している。それはSECによって「待機期間」とも呼ばれているものだ。ビットコイン購入の停止は一時的なものであり、機関投資家のBTC需要が停止したことを必ずしも意味するものではないとみられる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン