仮想通貨(暗号資産)ビットコイン価格が上昇を続ける中で、新たに仮想通貨投資に参入した投資家の動きが需要を牽引していることが、仮想通貨資産運用を手がけるグレイスケールの調査で分かった。
同社がこのほど公開した調査結果によると、新型コロナウイルスによるパンデミックが投資家をビットコインに引きつけた要因の一つであるという。
調査によると、調査対象者のビットコイン投資家の83%が、コロナウイルスが蔓延する以前も含めた過去12ヶ月間で投資を始めた。また、38%の投資家が過去4ヶ月の間で投資を初めており、そのうちの63%が新型コロナウイルスが要因となってビットコインの購入を決めたと話している。
ビットコインの普及進む
グレイスケールによると、ビットコインが一般人の間でも肯定的に捉えられる傾向があることが明らかになっている。調査対象者の55%が現在ビットコインの購入に興味があると答えており、前年調査時の36%から増加している。
さらに回答者の半数が、今後10年で仮想通貨が主な取引媒体になると予想した。
新型コロナ収束したらビットコインはどうなる
一方でワクチン開発で明るいニュースが続く中、新型コロナウイルスのパンデミックが収束した場合に、ビットコインにどのような影響が及ぶのかが、投資家の間でも話題になっている。「ザ・クリプト・ポートフォリオ」著者で元デジタル資産ファンド・マネジャーであるジョナサン・ホブス氏はパンデミックの影響は、コロナウイルスがコントロール下にあっても、長く続くと予想する。
「新型コロナウイルスは、機関投資家の採用に火をつけた。しかし、そのずっと前から薪は積み上がっていた。今は火が燃えているので、火を消すには大量の水が必要になるだろう。世界が最終的に新型コロナウイルスを治したとき、経済はまだ借金で病んでいるだろう。そして中央銀行は、2008年の金融危機以来行ってきたように、これらの負債を膨らませようとしてお金を刷り続ける。これは、ビットコインがインフレヘッジであるということが、パンデミックが終わった後も長く続く可能性が高いことを意味している。」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン