イーサリアム(ETH)先物ETF(上場投資信託)の上場を計画していた仮想通貨資産管理大手の二社、グレイスケール・インベストメンツとビットワイズ・アセット・マネジメントは、米国規制当局からの厳しい監視の中で計画を中断した。

グレイスケールは5月17日、米国証券取引委員会(SEC)への申請書に修正を加え、ETH先物ETFに関する記述を削除した。この修正は、3つのETF製品の立ち上げを計画した直後に提出された。その他の二つの主力製品には、現物ビットコイン市場への投資を予定しているセミ現物ビットコインETFと、プライバシーを重視したブロックチェーン企業及びデジタル資産への投資を目指すプライバシーETFが含まれる。

この修正はSECがグレイスケールに対し、Filecoin投資信託の申請撤回を求めた数日後に行われた。規制当局は、その基盤資産であるFILが証券に該当すると警告している。

グレイスケールはSECの指摘に対し、基盤資産は証券に該当しないと主張。「早急にSECのスタッフに対し、グレイスケールの立場の法的根拠を説明する」と述べている。

一方、ビットワイズは、ETH先物ETFの設立申請を全面的に撤回した。同社は5月17日のSECへの修正申請書の中で、該当ファンドの効力発生を追求しない意向であり、その登録申請の修正後にファンドの証券は売却されていないし、売却される予定もないと主張している。

なお、ビットワイズは記事公開時点で、当該問題に関するコメントには応じていない。

2021年最終四半期にはビットコイン先物ETFがデビューし、仮想通貨業界では現物仮想通貨ETFの登場が近いとの期待が高まっていた。しかし、その後2年間、2022年の仮想通貨市場の混乱を経て、規制当局はこの種の製品に対する懐疑心を深めている。